函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

「感謝」と「笑顔」のパリ五輪から

2024年08月11日 15時57分13秒 | えいこう語る
▼パリの街中での、開放感あふれるオリンピックが、戦争が続く暗い世界に、一時の「やすらぎ」をもたらしている。

▼若者は常に未来を創る。今回の日本選手の活躍には、その可能性を十分確信させるものがある。

▼過去の五輪は、選手が「国家」を背負っていたが、今の若者は「個人」が主で、国家は自分が所属する大地という意識のように感じる。

▼マックス・ウェーバーは【国家とはある一定の領域の内部で、正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する人間共同体である】という。

▼そうであればロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルのパレスチナ攻撃も、戦争の理由が見えてくる。

▼「国家」ありきであれば戦争は必然的に発生する。「個人」が主体的である「国民主権」であれば、戦争は回避される、素直にそう思いたい。

▼五輪は「国威発揚」が前面にでた時代があった。だが今回のパリ五輪での日本選手の活躍と、そのコメントからは「個人」が主になり始めたのを実感する。

▼メダリストたちのコメントも、周囲の人たちに「感謝」するのと、何よりも選手たちの人格を象徴する「笑顔」がさわやかだった。

▼1964年の東京五輪後、国家的重圧に耐えきれず、自ら命を絶ったマラソンの円谷幸吉選手の顔が浮かんできた。

▼「国家と個人」。国家が優先すれば戦争の可能性が大きい。個人が尊重される民主主義では、戦争の危険性が狭まる。個人は戦争を好まないからだ。

▼自民党改憲草案では「第13条」をこう改正する。現行は「すべて国民は、個人として尊重される」を『人として尊重される』と改正する。

▼そして「第13条」の「公共の福祉に反しない限り」が『公益及び公の秩序に反しない限り』に、改正しようとしている。

▼「個人から人」へというのは、人というおざっぱなくくりの中で、個人軽視が予見される。

▼さらに「公益や公のため」というのは、国家主義的な色彩を帯びた改正案だ。個人のための国家であって、国家のための個人ではないというのが、民主主義憲法の神髄だ。

▼台湾有事にかこつけて、日米の軍事同盟の強化が進んでいる。キシダ総理は政権延命のために「憲法改正」を目論み、自衛隊の軍隊化を目指している。

▼今回のメダリストたちが、首相官邸に招かれたら、「平和の祭典五輪」で実感した「感謝」と「笑顔」、これが戦争のない世界への「夢の懸け橋」だということを、総理に伝えてほしいものだ。

▼そして今日8月11日は、私の76歳の誕生日だ。今晩は金メダルの代わりに、好物の赤飯を妻が用意している。

▼冷やした日本酒と赤飯。76年の生涯をパリ五輪の若者たちの活躍を振り返りながら、楽しんでみたい。