夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

平家物語絵巻展

2015-08-15 22:01:19 | 日記

先日、岡山に行ったときに、林原美術館で開催中の「平家物語絵巻」展を観た話題をするのを忘れていた。

林原美術館所蔵の「平家物語絵巻」は、江戸時代の『平家物語』流布本を底本とし、本文(詞書)が700場面、本文に合わせた絵図(挿図)が705場面から出来ており、全部で36巻、約940メートルにも及ぶ長大なもの。
完全な「平家物語絵巻」としては、日本で唯一のものだそうだ。

私が観に行ったのは、会期を2つに分けたうちのPart1で、源平の勇壮な合戦を描いた場面が中心に展示されていた。
今の勤務校で、学生に前期の授業で『平家物語』巻九・木曾の最期を教えていたので、今度学生たちにこの絵巻を見た話をしてやりたいと思った。
また、週刊漫画誌『モーニング』に連載されている、かわぐちかいじ氏の『ジパング 深蒼海流』(源平の争いを描いた歴史漫画)と重なる場面も多く、興味深く鑑賞した。
やはり、臨場感あふれる合戦のシーンは、絵巻物の面目躍如といったところである。

同展の会期はまもなく後期に入るが、Part2は、〈妓王や敦盛など、平家物語を彩る人物を中心に物語の魅力を振り返る〉構成になるそうで、そちらもぜひ観に行きたく、楽しみにしている。