昨年来日したアラン・ドロンさんがご出演された番組の中で
ご自身が出演された映画の中からベスト5に上げていた内の1作
『太陽が知っている』(原題『スイミング・プール』)をご紹介します。
本作は今のところ日本ではDVDの発売はされておらず、
フランスでも久しく廃盤扱いになっていましたが、
今年の3月にプレステージ・エディションとして再発売されるようです。
Dvdfr.com - Fiche DVD
この作品は今まで単なるサスペンス物というだけで、
私の中ではあまり重きを置いてはいなかったのですが、
昨年ドロンさんがベスト5の1本に自ら選んだことから、
それが何故なのかを確かめようと見返していると、
これまでに気づかなかった本作の魅力が少しずつわかってきたような気がします。
広大なプール付の別荘でバカンスを楽しむカップルが物語の主人公で、
全編の大半がこの邸内に限定した舞台設定がまず成功しています。
そこに、彼女の元恋人とその娘が現れたことから生じる男女4人の複雑に絡みあった感情を、
時に強烈なラブ・シーンも交えながら、非常に丁寧に描いていきます。
ドロンさんとロミーとのラブ・シーンは今観ても十分官能的で、
特にロミー・シュナイダーの神々しい美貌に魅了されます。
私はこの作品を昔テレビで初めて観て、ロミーの存在を知り、
すぐに彼女のファンになりました。
やがてドロンさん扮する主人公のモーリス・ロネ演じるロミーの元カレに対して向けられた
憎悪とジェラシーが暴発して殺人事件が起こるわけですが、
このプール・サイドで離れた位置からキャメラの長回しで捉えた殺人シーンは、
モーリス・ロネの苦悶の演技が見事で、見ているこちらも息が詰まりそうになります。
殺人の直後、暗闇の上空に飛行機の音が聞こえドロンさんが空を見上げるシーンは
『太陽がいっぱい』を彷彿とさせるきめの細かい演出でした。
本作の撮影時のレポートが、当時の映画雑誌スクリーン誌の中で故田山力哉氏によって書かれています。
その中からドロンさんとモーリス・ロネ二人のインタビューの部分を以下にご紹介します。
ドロンさんの主人公に対する冷静な分析は非常に的を得ています。
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アラン・ドロン(以下AD)「二人の男女は美しく怠惰な日々を送っているんだ。
サン・トロペ近郊の素晴らしい家でね。
ところがマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)が美貌の中年男性アリー(モーリス・ロネ)と
その娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)をこの家に招待したため二人の平和は乱される。
輝ける成功者であるアリーは、ジャン・ポール(アラン・ドロン)を自分より劣った者として扱う。
しかも彼はかつてのマリアンヌの恋人だったのだ。
ジャン・ポールの優位に立つことに満足感を味わったとしても不思議ではないだろう。
一方僕の扮するジャン・ポールは娘のペネロープに少なからぬ関心を抱くというわけだ。」
モーリス・ロネ「全く何といっていいかわからんよ。
アランは『太陽がいっぱい』のときよりもずっと乱暴に僕を扱うのだ。
きっと彼は僕に個人的な悪意を持っているんだな。
クレマンの映画では、彼は僕の死体を船の上から海へ投げ込んだが、
今度の映画では、彼は僕をプールから出させまいとするだけでなく、
僕が死んでしまうまで僕の頭を水の中に突っ込むんだからね、ああコワイ。」
AD「だがねえ、ロネを最初に殺したときより、今度の方が残酷でないかもしれないぜ。
ジャン・ポールという男は、その時々の気分に支配される。
だから後で自分の行動を後悔するのだ。
衝動に身を任せて、後はほとんど忘れてしまう、彼はそういう男なんだ。」
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ご自身が出演された映画の中からベスト5に上げていた内の1作
『太陽が知っている』(原題『スイミング・プール』)をご紹介します。
本作は今のところ日本ではDVDの発売はされておらず、
フランスでも久しく廃盤扱いになっていましたが、
今年の3月にプレステージ・エディションとして再発売されるようです。
Dvdfr.com - Fiche DVD
この作品は今まで単なるサスペンス物というだけで、
私の中ではあまり重きを置いてはいなかったのですが、
昨年ドロンさんがベスト5の1本に自ら選んだことから、
それが何故なのかを確かめようと見返していると、
これまでに気づかなかった本作の魅力が少しずつわかってきたような気がします。
広大なプール付の別荘でバカンスを楽しむカップルが物語の主人公で、
全編の大半がこの邸内に限定した舞台設定がまず成功しています。
そこに、彼女の元恋人とその娘が現れたことから生じる男女4人の複雑に絡みあった感情を、
時に強烈なラブ・シーンも交えながら、非常に丁寧に描いていきます。
ドロンさんとロミーとのラブ・シーンは今観ても十分官能的で、
特にロミー・シュナイダーの神々しい美貌に魅了されます。
私はこの作品を昔テレビで初めて観て、ロミーの存在を知り、
すぐに彼女のファンになりました。
やがてドロンさん扮する主人公のモーリス・ロネ演じるロミーの元カレに対して向けられた
憎悪とジェラシーが暴発して殺人事件が起こるわけですが、
このプール・サイドで離れた位置からキャメラの長回しで捉えた殺人シーンは、
モーリス・ロネの苦悶の演技が見事で、見ているこちらも息が詰まりそうになります。
殺人の直後、暗闇の上空に飛行機の音が聞こえドロンさんが空を見上げるシーンは
『太陽がいっぱい』を彷彿とさせるきめの細かい演出でした。
本作の撮影時のレポートが、当時の映画雑誌スクリーン誌の中で故田山力哉氏によって書かれています。
その中からドロンさんとモーリス・ロネ二人のインタビューの部分を以下にご紹介します。
ドロンさんの主人公に対する冷静な分析は非常に的を得ています。
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アラン・ドロン(以下AD)「二人の男女は美しく怠惰な日々を送っているんだ。
サン・トロペ近郊の素晴らしい家でね。
ところがマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)が美貌の中年男性アリー(モーリス・ロネ)と
その娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)をこの家に招待したため二人の平和は乱される。
輝ける成功者であるアリーは、ジャン・ポール(アラン・ドロン)を自分より劣った者として扱う。
しかも彼はかつてのマリアンヌの恋人だったのだ。
ジャン・ポールの優位に立つことに満足感を味わったとしても不思議ではないだろう。
一方僕の扮するジャン・ポールは娘のペネロープに少なからぬ関心を抱くというわけだ。」
モーリス・ロネ「全く何といっていいかわからんよ。
アランは『太陽がいっぱい』のときよりもずっと乱暴に僕を扱うのだ。
きっと彼は僕に個人的な悪意を持っているんだな。
クレマンの映画では、彼は僕の死体を船の上から海へ投げ込んだが、
今度の映画では、彼は僕をプールから出させまいとするだけでなく、
僕が死んでしまうまで僕の頭を水の中に突っ込むんだからね、ああコワイ。」
AD「だがねえ、ロネを最初に殺したときより、今度の方が残酷でないかもしれないぜ。
ジャン・ポールという男は、その時々の気分に支配される。
だから後で自分の行動を後悔するのだ。
衝動に身を任せて、後はほとんど忘れてしまう、彼はそういう男なんだ。」
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同じ関西でも微妙に違うのです。
確かに『月は知っている』ですね。
この『知っている』という言い回しが
映画の題名には不向きではないかと感じます。
現代だったら『スイミング・プール』となるでしょうね。
最近オゾンの作品で同じ題名がありましたが。
今作は日本ではヒットと呼べる所まで行かなかったんでしょうか?
チェイサーさんの≪奈良弁??≫
意外、優しくハマってました。。。
【イタリア式・・・】はおっしゃる通り≪喜劇(毒の効いた・・)≫です。。
文章力の無さの露呈でした。
チェイサーさんの文章力も弊店ブログの参考とさせて下さい。〔感謝!〕
やっぱり太陽は知らないですよね
太陽が見ていたのはドロンとロミーのラヴシーンですから…
いちまた旦那が仰ってるロミーの白い水着
TVで初めて観た時凄いインパクト受けたの思い出しました。
『プール』ってホントにシンプルなタイトルですね
このタイトルのまま日本公開してたらヒットしたのでしょうか?
真夜中に行われた犯罪ですから、
『太陽が知っている』というのはおかしいわけで、
より正確に日本題名を付けるなら
『太陽が知っとるわけないやん』(ジュリアン様風)
となります。
誠にありがとうございました。
今年も楽しみにしております。
ご紹介下さったサイトも何だかスゴイことになっていますね。
Tomo様のサイトの写真の数々が無断で(?)使われているのにびっくりです。
ドロンさんの映画新作を特集したテレビ番組の予告編がありました。こちらです。
↓
http://lachaine.tf1.fr/lachaine/divertissement/0,,3682972-e1RZUEVfSU5GTyBVTlZfSUR9IHszIDF9,00-enfants-tele-.html
イタフラ車も映画に劣らず好きな私です。
たぶん今作には
とびきりイカシタ
《マセラティー》を駆って・・・!
又、久々に観返すしてみます!!
昨年は色々とありがとうございました。新年のご挨拶
をと思っていましたが、遅れてしまいました。ドロン氏の今年の新作楽しみですね。
http://www.myspace.com/beaudelon
こんなサイト↑を偶然見つけた次第です。またお邪魔致します。