LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

La Piscine Version anglaise inedite du film (2)

2008-07-26 | TRIVIA

『太陽が知っている』未公開英語バージョンの続きです。
(今回も添付画像の左側が英語盤、右側が従来のフランス語盤です。)

映画の後半はロケ現場の自然の影響による映像の違いが散見されます。
添付画像にありますように、プールサイドに鳩がいるショットといないショット、
ロミーのそばにあるロウソクの炎が夜風によって1本消えていたり、
ラスト・シーン間近では風が強く吹いて二人の髪の毛が乱れています。

プールでモーリス・ロネが沈められた後に浮かんでくる描写がワン・カット追加されているのは
彼の息が続かなかったからでしょうか。

またロネが亡くなった後、現場のプールサイドにたたずむ
ドロンさんの立ち位置が木の立っているそばになっていること。
さらに母親の元に帰ることになったジェーン・バーキンを飛行場まで見送る場面で、
彼女に語りかけるロミーのバックに車があること、
などの違いも見られました。

こうやっていろいろと相違点を探すのは楽しい作業でしたが、
従来のフランス語盤との違いを総括してみますと、
①アラン・ドロンさんとロミーとのラブ・シーンの時間がやや長いこと。
②モーリス・ロネのキャラクターがより憎まれ役として強調されていること。
③モーリス・ロネが寝床にいるロミーに朝食を運ぶシーンがないこと。
④異なるラスト・シーンが追加されていること。
などが上げられます。
これら微妙な相違点は英語圏の観客の嗜好を考慮に入れたものなのかもしれません。
Comments (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« La Piscine Version anglaise... | TOP | AVEC ROMY (5) »
最新の画像もっと見る

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (elle)
2008-07-26 17:46:22
フランスから取り寄せたDVDですが
まさか完全リテイクとは思わず、英語盤は
仏盤にないラストシーンを観ただけでした。
チェイサー様のご指摘がなければ
英語盤全編を観ることはなかったかもしれません。
仏語字幕を見ながらの鑑賞は
違った角度からのフランス語の勉強にもなりますし
仏盤との微妙な雰囲気の違いも楽しめます。
まさに世紀の大発見ですね!
改めてこの作品独特の美しさを感じます。
ありがとうございました。
返信する
大発見でした。 (チェイサー)
2008-07-26 18:28:07
英語盤を何の気なしに観ていた時に
「これはなんだかおかしいぞ」ということになって、
普段DVDを観ているデスクトップPCの隣に
ノートPCを持ってきて、2台同時に上映してみました。
同じ映画なのに微妙に違う展開に感激させられました。

elle様のようにフランス語字幕を解読するレベルには
まだまだ至りませんが私も字幕を勉強してみます。
返信する
こんにちは (Unknown)
2008-08-31 05:32:14
ここ最近、再びドロンさんのファンになりました。一度目は80年代に初めて太陽がいっぱいを観てからになります。10代でした。


アメリカ映画にも海外向けと国内向けでラストシーン等を何テイクが違うものを撮って置いて付け替えたりしますからこういうバージョンもあるのかも知れません。けれど撮影はさぞかし大変でしょう。けど新鮮でいいですよね。ベッドまで朝食等を運ぶのは英語圏では病気でもないのにおかしいとなったり、シーンの強調は英語があまり解らない移民の方でもより解りやすくする為だと思います。是非DVDを買ってみたいと思います。貴重な相違点等 為になります。ありがとうございました。


返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | TRIVIA