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1980年のダーバンCMの第2編の舞台裏エピソードをご紹介します。
この年のCMではドロンさんはすべてフォーマル・ウェアの“フェストーネ”を身にまとい、
パーティーで起こるささやかなドラマを垣間見せることが共通のテーマとなっています。
パーティー会場で出会い気になっていた女性と帰りの出口のところで偶然に出くわします。
雨が降っている為すぐには帰れない二人、やがて女性にはパートナーの男性が迎えに現れ、
ドロンさんをちらっと見ながら帰っていく彼女を確認しながらドロンさんは一人で会場を後にします。、
きっと二度と巡り合うことがないであろうこの二人の間に起こった心のふれあいを
たったこれだけの映像で見せきる演出力とドロンさんの演技を堪能することができます。
撮影場所はおそらくブローニュの森に"1軒ぽつんとあるレストラン"で行われ、
当日は晴れていた為、雨を降らせる為に私設の消防団に頼んで消防車から雨を降らせてもらいました。
またCM開始以来10年目に当たる記念の年ということでロケ地には三船敏郎氏も陣中見舞いに訪れたようです。
この一連のCMの撮影前日にミレイユ・ダルクが心臓の大手術のために入院していたことをスタッフは後に知ることになります。
ドロンさんはスタッフに余計な心配をかけさせることのないよう、
撮影中も彼女への心配な気持ちを表に出さず納得がいくまで撮影に打ち込みました。
しかも今回ほど笑顔を見せたことはなかったそうです。
70年代のドロンさんの日本での広報は三船プロが一手に引き受けていたようで、このCMも三船氏の強い勧めがあってドロンさんが引き受けたのは有名な話ですね。
仰るようにマツダのCMは音楽の使い方やドロンさんの演技が完全に80年代のものになっていて、
このダーバンCMの持つ独特のメランコリックなムードは1編を除いて皆無といっていいですね。
「ミニドラマ」とは正にこのCMを表すのにぴったりの言葉ですね。