陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

再度暴落した日経225

2008-10-26 15:08:20 | 財政・経済問題
 急な円高が起きたのは、先週1週間の間であった。10月に入って、1ドル=102~105円に張り付いたように円ドルレートは小康状態であったが、ユーロを始め、英国ポンド、豪州ドル、ニュージーランド・ドル、南ア・ランドが毎日のように対円と対ドル下落し、やがてカナダ・ドルもそれに追従した。

 10月24日(金)のユーロ下落とドル下落は同期したかのように起こり、1ドル=95円、一時的には1ドル=90.0円まで円が買い進まれた。現在は、1ドル=94円台で推移しているが、来週は90円を割る場面も出てくるだろう。

 殆ど同時に、ユーロは120円を簡単に越え、110円に迫る勢いで取引が進んだ。只今は少し戻して、1ユーロ=119円台で取引されている。ポンドは150円台を示し、何とも驚くばかりである。8月下旬の水準から比べると両者とも35%以上の下落だ。

 日経225はこの激変を反映、-800円以上の暴落となった。8000円台を簡単に割り込み、終値は7649円。来週は、日経225の新安値を覗(うかが)う展開になるはずだ。

円独歩高 冷え込む市場心理 13年ぶり水準、断てぬ負の連鎖
2008/10/25

 24日の東京市場は株安・円高の流れが止まらず、日経平均株価は2003年5月以来5年5カ月ぶりに8000円を割り込み、円相場も対ドルで一時13年2カ月ぶりの高値水準となった。金融危機が実体経済に本格的に波及し、日本企業の業績悪化懸念も台頭。世界的な景気後退リスクの高まりで、市場マインドが急速に冷え込んでいる。

≪消去法の「買い」≫

 同日の日経平均は前日比811円90銭安の7649円08銭で取引を終えた。急速な円高進行による国内企業業績の悪化懸念を嫌気した売り注文が殺到したからだ。その円は主要通貨に対し独歩高となり、欧州市場では約13年ぶりに1ドル=90円台に上昇。対ユーロでも10円以上円高の113円台に突入した。

 金融危機の拡大に伴う欧州経済や中国、ロシアなど新興国経済の下振れリスクの高まりで、世界の投機マネーがユーロや新興国通貨から逃避している。

 比較的堅調なドルも、米国経済の先行き不安はぬぐえず、そうかといって原油や金など国際商品市況も下落基調だ。「世界のリスク資産全体に損失が広がる中で、多くはいったん現金化されたり、米国の短期国債などリスクの相対的に低いものに資金が流出している」とクレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは指摘する。

 そんな中、「金融危機の影響が比較的軽微で安全」(エコノミスト)とみられている円資産に向かう流れが強まっており、白川氏も「バブルが崩壊したユーロが売られ、割安感の出ていた円が消去法で買われている」と分析する。

 また、欧米の利下げ機運が高まる中、「低金利で調達した円資産を高金利通貨で運用する円キャリー取引が解消されている」(第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミスト)ことも円高の背景にある。

≪輸出企業を圧迫≫

 国内の大半の輸出関連企業の想定為替レートは、対ドルで105円前後、ユーロも150~160円とみられ、ソニーなど09年3月期の業績予想を下方修正する企業が続出している。日興コーディアル証券の西広市エクイティ部部長は「輸出企業の業績悪化と金融機関の保有株の評価損が広がる懸念が一段と高まってきた」とため息をつく。

 株式市場では「為替が落ち着かない限り、市場の地合いは改善しない」(大手証券)との声も聞かれる。しかし、暴落するユーロや新興国通貨が落ち着くかどうかは極めて不透明だ。日経平均は03年4月につけたバブル後最安値(7607円88銭)割れが目前だが、円高がこのまま進行した場合は株安に歯止めがかからなくなる可能性もある。

 円高は輸入物価を押し下げる効果があるため、一般的に自国通貨の上昇は歓迎されることも多いが、日本の場合は経済を牽引(けんいん)する輸出関連企業のアキレス腱(けん)を切りかねない。企業業績が悪化すれば株価へのさらなる影響も不可避で、金融市場の混乱と実体経済の負の連鎖が断ち切れないことになる。(兼松康)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200810250041a.nwc


 輸出関連産業は、今まで円安を謳歌していたのだから、この状況になればある程度苦労をしてもらわねばなるまい。

 11月15日にG20が開催され、世界レベルで金融危機と不況対策を検討するようだが、もっと早くに動かないと事態は益々深刻化する。国内では総選挙などしないで、第二次補正予算を10兆円規模に膨らませ、地方の公共事業を復活させて内需喚起を急ぐべきと考える。

(参考)

 次のロイター記事は、一読をお勧めする。

 バブル後安値割り込み下値模索、海外勢の換金売り続く=来週の東京株式市場
 http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK0STOCKS20081024
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