陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

スロバキア議会はEFSF拡充案を承認するか?

2011-10-05 12:32:02 | 財政・経済問題
 ドイツ連邦議会(下院)がEFSF拡充案を9月29日に承認して、次はユーロ圏17ヶ国の内、スロバキア、オランダ、マルタ各政府の承認を待つばかりになった。既に、オランダとマルタは、拡充案を認める見込みとの情報がある。

 問題は、スロバキア議会である。スロバキア初の女性首相、イベタ・ラディツォバー氏(スロバキア民主キリスト連合;大学教授出身;54才)は、昨年7月に首相に就任したが、支持基盤が弱い。与党第一党の「自由と連帯」(SaS)がラディツォバー首相の提案する拡充案に反対しているから、連立与党だけでは議会承認が得られない。

 EFSF拡充案に賛成の野党「道標」の協力により、10/14(金)の議決は乗り切れるだろうけれども、連立政権は崩壊の危機に曝される。9月のドイツ連邦議会審議でも、連立与党の意見が分裂し、メルケル首相辞任の噂が流れた。ギリシャ危機は、ユーロ圏各国の政局へも多大の影響を与えているようだ。

 欧州の金融民間セクターは、不安から来る資金繰り困難に直面し、仏・ベルギー系金融機関のデクシアはベルギーとフランス両政府から支援を受けることに決まった。また、EU財務相理事会でも、銀行に対する救済策を準備すると言う。

 ギリシャ危機が欧州銀行危機を招く気配が濃厚で、日経平均は今日(10/5)も続落、8300円以下を窺(うかが)う情勢である。

スロバキア連立与党のEFSF拡充結束に暗雲、野党攻勢強める
2011年 10月 3日 11:21 JST

 [ブラチスラバ 2日 ロイター] スロバキアの野党党首は2日、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充案の議会承認が困難な情勢であれば、ラディツォバー首相の連立政権は内閣改造か前倒し選挙を迫られるとの見解を示した。

 人口約500万人、経済規模も小さいスロバキアだが、ユーロ圏ソブリン債務危機打開に欠かせないユーロ圏17カ国の批准が必要なEFSF機能拡充で成否のカギを握る存在に浮上した。
 
 議会採決は10月14日までに実施される予定となっているが、中道右派の連立政権を構成する「自由と連帯(SaS)」が反対しており、ラディツォバー首相は可決に必要な過半数の支持確保に苦しんでいる。
 
 野党「道標(Smer)」のフィコ党首は2日、テレビの討論番組で、EFSF拡充案について、ラディツォバー政権、そして連立与党が了承するか、それとも連立与党で足並みが揃わず野党の支持を仰ぐかどちらかになると指摘。後者の場合は連立政権の運営に支障をきたすとの見方を示した。

 各種世論調査でSmerの支持率は40%近くに達し、他党を大差でリードしている。前首相でもあるフィコ党首は、党としてEFSF機能拡充を支持するが連立政権の支援はしない、との考え。「われわれとしてはEFSFを支持する用意があるが、そうなるとスロバキアには連立が存在しないということになる」と述べ、EFSF拡充で連立与党が結束できなければ閣僚配分の変更か前倒し選挙に踏み切るべきとの考えを示した。

 連立与党は4日に連立与党党首協議を行う予定。
 連立与党を構成する「架け橋(Most─Hid)」のBugar党首は、EFSF拡充に反対しているSaSは人気取りを狙っていると批判。

 首相はSaSに妥協案を示し、SaSは受け入れる余地があると表明しているが、Bugar党首は「われわれはEFSFのルール変更を求めてはいない。妥協案では、(EFSF)融資案件ごと、(EFSF)基金の活用ごとに議会の採決が行われるようになる」と述べた。ただし、詳細の内容には踏み込まなかった。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23448220111003
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