陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

蘭・金融大手INGへ政府が1兆4000億円の資金供与

2008-10-20 14:49:36 | 財政・経済問題
 INGは、Internationale Nederlanden Groep の略で、1991年、オランダの保険大手と旧郵政系銀行が合併して発足した。1995年には、破綻した英国の名門、ベアリングズ銀行を買収。欧米や日本を含むアジアなどへの積極展開で業績を急拡大させ、米経済誌フォーブスの2008年世界企業ランキングで9位となった。

 資本金140億ユーロ、従業員数約12万人のこの巨大金融機関が金融危機の影響で株価が落ち込み、経営不安となった。オランダ財務省は、INGへ100億ユーロ=1兆3500億円の資金を注入、同社発行の株券を受け取る。

 この例は、経営破綻ではないが、資金繰りが苦しくなったもので、一時国有化に近い状態であろう。オランダ政府は、10月3日にベルギーの金融グループ「フォルティス」オランダ部門を168億ユーロで国有化すると発表していた。

 巨大総合金融のUBS(チューリヒ)へは、スイス政府による5250億円の資本注入があったばかりで、<経済カタストロフィー>は益々底知れぬ広がりを見せている。

オランダ政府、INGに100億ユーロ資本注入
2008年 10月 20日 07:35 JST

 [アムステルダム 19日 ロイター] オランダ政府は19日、金融大手のING(ING.AS: 株価, 企業情報, レポート)(ING.N: 株価, 企業情報, レポート)の要請に応じ100億ユーロ(135億ドル)の資本注入で合意した。INGは経営幹部へのボーナス撤廃と今年の無配を決めた。

 株価下落を受けてINGは資本増強を模索していた。オランダ政府は200億ユーロを用意したが、INGと保険大手のエイゴン(AEGN.AS: 株価, 企業情報, レポート)だけが資金を求める意向を表明、上場しているオランダの大半の中小規模銀行は、資本注入を求めていない。

 INGのティルマント最高経営責任者(CEO)は、ボス財務相とウェリンク中銀総裁とともに臨んだ記者会見で「過去2週間で市場環境は変化し、世界各国で大幅な資本注入を受ける金融機関が相次ぎ、望まれる資本水準が変化した」と述べた。

 財務相と中銀総裁はINGの経営と財務状態は健全と指摘。ウェリンク総裁は「悪い企業の救済ではなく、健全な企業の未来を保証するための措置」と指摘した。

 INGは100億ユーロ相当の証券をオランダ政府に発行。政府は普通株主に近い立場となるが、既存株式が希薄化しないよう設計されている。資本注入でINGのTier1自己資本比率は8%に上昇、負債資本比率は15%から10%に低下する。注入はINGは四半期業績を発表する11月12日までに完了する。
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK828781720081019
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