陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

台風26号が伊豆大島に残した悲惨な爪痕

2013-10-17 21:06:30 | Weblog
 大型台風26号は、本州に上陸こそしなかったが、秋雨前線と重なり合って関東各地に豪雨をもたらした。伊豆大島では、火山灰山地が未曾有の豪雨により広範囲に亘って崩落、大量の土石流となって住宅地を襲った。

 10月16日未明、一瞬の内に18名の死者、39名の行方不明者を出す大惨事となった。犠牲になられた方々に、心から哀悼の意を捧げます。

 毎年の台風が通過するコースに位置する我が国であるが、これだけの人的被害が狭い地域で発生するのは珍しい。豪雨に加えて、保水力不足の地形が生み出した特殊災害とも思える。

伊豆大島、陸自など徹夜の捜索 なお43人不明
2013.10.16 21:29

 大型で強い台風26号は16日、東海から東北の広い範囲を風速25メートル以上の暴風域に巻き込み、伊豆諸島付近から関東、東北の太平洋側沿岸の海上を北上した。東京・伊豆大島(大島町)では記録的な大雨となり大規模な土石流が発生。警視庁によると、16人の死亡が確認された。大島町によると、43人の行方が分かっていない。

 猪瀬直樹都知事は大島町に災害救助法を適用するとともに、陸上自衛隊に災害派遣を要請。自衛隊、警視庁、東京消防庁が救助活動に当たり、徹夜で捜索を続けるという。

 大島町中心部に近い神達(かんだち)地区で大きな被害が出ている。都によると、全壊や半壊などの住宅被害は280戸以上に上る見込み。

 伊豆大島では16日午前4時ごろまでの1時間に、観測史上最多となる122.5ミリの猛烈な雨を観測。24時間雨量は800ミリを超えた。

 大島町の川島理史(まさふみ)町長は同日夜、記者会見し「何よりも人命が大事だ。連絡が取れない方々の救出と安否確認を最優先し、一人でも多くの人を助けたい」と述べた。

 このほか、東京都町田市では女性(67)が増水した川に流され、死亡が確認された。各地の警察によると、神奈川県では二宮町の海岸で、小学6年の男児2人が波にさらわれ、行方不明になるなどした。千葉県成田市でも土砂崩れで住宅が倒壊、住人の男性(56)が行方不明となっている。警察庁によると、中部から東北地方にかけ30人以上が重軽傷を負った。

 台風26号は16日午後3時、三陸沖で温帯低気圧に変わった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131016/dst13101621300044-n1.htm


 この台風の接近は、数日前から進路が予想されていた。伊豆7島はそのコース内にあったが、大島町役場は町民への警戒情報伝達に手抜かりがあったようだ。また、町長と副町長が島外へ出張中というのも奇妙な感じがする。災害当日未明に設けられた対策本部を取り仕切ったのは、教育長であったらしい。

大島町、職員の非常配備態勢遅れる 被害拡大招く?
2013.10.17 12:07

 伊豆大島(東京都大島町)で17人が死亡し、39人が安否不明となった土石流とみられる大規模な土砂崩れで、台風26号接近中の15日午後に町が被害を想定しながら、16日未明まで職員の非常配備態勢を取っていなかったことが17日、同町への取材で分かった。

 住民に対する避難指示や勧告をしなかったことに加え、被害拡大につながった可能性がある。

 川島理史町長は17日の町議会全員協議会で、被災時に町長と副町長が公務出張で不在だったことを「土石流対策を過小評価していた」と謝罪。その後の記者会見で「早いうちに避難勧告を出せなかったのか、いっときも頭から離れることはない」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131017/dst13101712120010-n1.htm

 警察からは、町役場へ避難勧告を出すよう要請があったという。

警察の要請にも避難勧告出さず 町の対応当否が焦点に
2013.10.17 14:12 [自然災害]

 台風26号で土石流被害の出た東京都大島町が、警視庁大島署から2度にわたり避難勧告を出すよう要請されながら避難を呼び掛けなかったことが16日、分かった。川島理史町長が町役場で会見し、明らかにした。

 土石流が起きた16日未明に川島町長と原田浩副町長がいずれも出張で不在だったことも判明。警察の要請は土石流の発生後とみられるが、町の対応が適切だったかどうか問われそうだ。

 町や大島署によると、16日午前2時49分、元町地区の住民から「家の中に泥が流れ込んできた」と署に通報があった。現場に赴いた署員が危険を感じたため、町に防災無線を流し、避難勧告するよう電話した。電話をかけたのは午前3時10分と同26分の2回。1回目で避難勧告が出なかったので再び要請したが、町は防災無線で沢の氾濫に注意するよう求めただけだった。

 町は被災前日の15日午後1時ごろと同5時ごろ、暴風と高波に警戒し、外出を避けるよう防災無線で呼び掛けてはいた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131017/dst13101714170011-n1.htm


 自然災害で家屋が損壊を受けるのは、ある程度止むを得ない感じがするのだが、これだけの人命が失われる前に町役場が為すべきことがあったのではと言いたくなる。

 1986年、三原山の噴火に際しては、全島住民1万名(当時)が島を離脱、無事避難した経験があるはずなのに、それが生かされていない。ここにも、危機管理とそれへの対応能力が劣化した状況が現れている。
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