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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 作って、造って、創りぬく ~

2025-04-15 22:03:12 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 まだまだァ、しょッくゥ~さめやらずゥ……」

「がるる!ぐるがる~…」(←訳:虎です!不安です~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 多くのユーザーさんたちと同様に、

 未だgoo blog閉鎖の衝撃から立ち直れていません。

 生き延びる道はどこだ?と情報収集しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 江戸の職人譚 ――

 

 

 編者は菊地仁(きくち・めぐみ)さん、

 著者は収録順に、乙川優三郎さん、野口卓さん、あさのあつこさん、

 佐江衆一さん、南原幹雄さん、五味康祐さん、梶よう子さん、

 2024年12月に発行されました。

 《江戸の職人》をテーマとするアンソロジー作品です。

 

「へいわなァじだいのォ、たのしみィはァ~」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:文化だよね断然!)

 

 およそ260年続いた、江戸時代。

 その特質は、なんといっても、

 “戦争がない”

 この一事に尽きます。

 

 乱や、諍(いさか)い、

 揉め事が無かった訳ではありません。

 けれど、

 数万人数十万人の生命が失われた、というような

 大乱、大いくさは無かった――

 

 これって、実はものすっごく大事な、重要極まることで、

 そういう意味で江戸時代ってもっと評価されていい、

 日本の風土や日本人の精神性にも

 大きな影響を与えているんじゃないか、

 と思うんですが、

 本題に戻りますと。

 

 平和な時代に必要とされるのは、

 刀剣よりも、

 うつくしいもの、おもしろいもの。

 

 例えば、

 この御本に収録されている作品に登場するのは、

 小紋の意匠職人さん、

 物知りな鏡磨ぎ師さん、

 縫箔(ぬいはく)屋さん、

 からくり人形師さん、

 刀剣の鞘師(さやし)さん、

 錦絵の摺師(すりし)さん、

 と、物造りの達人さんたち。

 

「おしごとにィ、こだわりィ~もッてまスゥ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:凝り性の研究家!)

 

 私ネーさのおすすめは、

 凝りっぷりが群を抜いている

 佐江衆一さんの

 『自鳴琴(じめいきん)からくり人形』。

 

 黒船の到来に揺れる江戸、

 そのお江戸の町の全域で、

 最も闇が濃い場所……ともいえる、

 伝馬町(でんまちょう)の牢に繋がれているのは、

 

 からくり人形師の、庄助(しょうすけ)さんです。

 

 庄助さん、

 南蛮渡りの自鳴琴を自作して

 異人女のからくり人形に仕組み、

 世間を騒がせた罪で

 五十日の手鎖になってしまったんです。

 

「ふァ? それだけェ??」

「ぐるるがっるるるる?」(←訳:人形を作っただけで?)

 

 伝馬町牢奉行配下の同心、

 黒田三右衛門(くろだ・さんえもん)さんは、

 当初、庄助さんに反感を抱いていました。

 なぁにが人形だ、

 不届き者が、ふざけてんじゃねえぞ!と。

 

 しかし、

 からくりのことなど話すうち、

 次第に怒りも解け、

 同情すら覚えるようになったとき。

 

「わあァッ、じめんがァ!」

「がるるぅ!」

 

 安政の大地震が江戸の町を襲います。

 幸いにも命拾いしたものの、

 三右衛門さんの眼に映ったのは、

 倒れてゆく建物と、火災のしるしの赤い炎…… 

 いかん、牢屋敷はどうなった?

 

「いそいでッいそいでッ!」

「ぐるがる~!」(←訳:炎が近い~!)

 

 囚人たちは?

 からくり人形師の庄助は?

 みな、無事か。無事でいるか――

 

 幕末期は、

 多くのからくり師・発明家さんが誕生した時代、

 でもありました。

 実在したからくり人形師にして

 芝浦製作所(のちの東芝)の創業者

 『からくり儀右衛門』さんを想わずにいられない物語は、

 歴史好きな活字マニアさんに、

 激おすすめですよ。

 古き江戸の、平和な日々を偲びつつ、

 ぜひ、一読してみてくださいね♪


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