テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

大陸も、時空も、ひとっ飛び♪

2015-11-01 21:51:40 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 おーるぶらッくすのォおにいさんたちィ、やッたァ!」
「がるる!ぐるるるるがるるるる!」(←訳:虎です!おめでとうございます!)

 こんにちは、ネーさです。
 2015年のラグビーW杯を勝ち取ったのは、
 やはり!NZの漆黒軍団でした!
 大男さんの腕に抱えられると
 心なしか小さく見える優勝杯……
 熱戦の名シーンと
 次回・日本で開催されるW杯へ思い馳せながら、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― 世界の辺境とハードボイルド室町時代 ――



 著者は高野秀行(たかの・ひでゆき)さんと清水克行(しみず・かつゆき)さん、
 2015年8月に発行されました。
 ……なんだか、こういう題名の御本がどこかに……

「あッたようなァ~?」
「ぐるっるがるる?」(←訳:なかったような?)

 まあたぶん、心配は無用なのでしょう。
 この御本は、パロディやパスティーシュ等の
 フィクション作品ではなく、
 対談――つまりノンフィクション系の作品。

 しかも、コメディ映画のような題名とは反対に
 真剣かつ深遠なガチ対談が展開されています。

「いまァ、むろまちィじだいィがァ??」
「がるるるるぅ?」(←訳:よみがえるぅ?)

 アフリカ大陸東端、
 国であって国でない、
 存在しているのに国際的には証人されていない、
 ソマリランド。

 ソマリランドについて語らせたら、
 この御方以外の誰がいるでしょう?

 現・ノンフィクション作家(かつては探検家にして辺境ライター?)の
 高野秀行さん。

 そして、高野さんの言葉に打てば響くように応えるのが、
 明治大学商学部教授の、
 清水克行さん。

「きょうじゅゥさんッ!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:専門は日本中世史!)

 室町時代末期は、
 戦国時代とカブる、といったら
 日本史嫌いな御方もイメージが湧いてくるでしょうか。

 応仁の乱があって、
 京都(首都部)はめちゃくちゃ。
 政権は機能不全に陥り、
 伝統的な掟と近代的な法律がぶつかり合い、
 村(豪族)単位で争ったり和解したり。

 現代のソマリランドはそれに似ている、と
 高野さんは言うのです。

 ソマリランドでも
 戦争の中心部が都だった。

 政権は混沌としていて、
 何が“法”なのか分からない。

 国をあてにできないのだから、
 信じられるのは自分の家族や一族だけ。

「ふむふむゥ、それはァ~」
「がるるるぐるるぅ!」(←訳:似てなくないねぇ!)

 宗教、職業ギルド、
 大河ドラマ、食文化、識字率。

 高野さんと清水さんのお喋りは
 あちこちに飛び火、いえ、跳躍します。

 ソマリランドの現在と、中世の日本。

 いつか中世は終わり、
 近世の幕が開くのだとしたら、
 ソマリランドの場合も……?

「だいてんかんがァ、おこるゥ??」
「ぐるるがる?」(←訳:変化の波が?)

 真面目なんですけど、
 楽しく、つるつる~っと読み進めてしまえる
 異色の歴史対談本、
 日本の“いま”も見えてくる一冊は、
 ノンフィクションな御方、
 中世史好きな活字マニアさんにもおすすめです。
 山口晃さんによるすてきな表紙画を目印に
 探してみ手くださいね~♪



 
 
 
 
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