テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

そこに、ただ輝く。

2015-10-30 21:46:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かぼちゃァだいおうさまァ、そろそろォでばんでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるるぅる!」(←訳:虎です!明日はハロウィン!)

 こんにちは、ネーさです。
 聖なるカボチャ祭りを明日に控え、
 本日の読書タイムでは、
 あえて“奇をてらった”、しかし、
 素晴らしく美しい一冊を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



        ―― ハリス・バーディック年代記 ――



 著者は(いいですか、行きますよ、せーのっ!)
 クリス・ヴァン・オールズバーグさん、
 タビサ・キングさん、ジョン・シェスカさん、シャーマン・アレクシーさん、
 グレギリー・マグワイアさん、コリイ・ドクトロウさん、
 ジュールズ・ファイファーさん、リンダ・スー・パークさん、
 ウォルター・ディーン・マイヤーズさん、ロイス・ローリーさん、
 ケイト・ディカミロさん、M・T・アンダーソンさん、
 ルイス・サッカーさん、スティーブン・キングさん、
 序文はレモニー・スニケットさん
 原著は2011年に、日本語版は2015年8月に発行されました。
 英語原題は『THE CHRONICLES OF HARRIS BURDICK 14 Amazing Authors Tell The Tales』、
 『14のすごいものがたり』と日本語副題が付されています。

「さッかさんがァ、じゅうよにんッ?」
「ぐるるるるーがるる?」(←訳:アンソロジーですか?)

 アメリカとカナダの作家さんが集合して
 一冊の本を作り上げる……というと、
 アンソロジー作品かと思えますが、
 この御本の舞台裏はちょっと複雑?なようです。

 30年前のこと、
 編集者ピ-ター・ウェンダーズさんのもとを
 一人の男性が訪れました。

 ハリス・バーデックと名乗ったその男性が言うには――

   私は十四のお話を書き、
   そのひとつひとつの為に沢山の絵を描きました。
   今日は見本としてお目にかけようと思って、
   一冊につき、絵を一枚だけ持参しました。

「わわほううゥッ! これはァ~!」
「がるるる!」(←訳:すごいぞ!)

 編集者ウェンダーズさん、
 それらの絵にすっかり魅了されてしまいました。

 これらの絵についているお話の方を
 一刻も早く読みたいものですな、と興奮する彼に、
 画家バーディックさんは答えます。

   それでは、明日の朝に原稿を持って参りましょう。

 ところが……。

「こォ~なァ~いィ~ッ!」
「ぐるるるがっるる!」(←訳:いつまでたっても!)

 翌日、バーディックさんは現れなかったのです。
 その後もずっと。

 手元に残された14の絵を眺め、
 ウェンダーズさんは想像を巡らせました。
 絵についていたお話とは、どんなものだったのだろう……?

 時を経て、
 ウェンダーズさんの子どもたち、友人たちが
 バーディックさんの絵に触発され、
 ひとつ、ふたつ……と、お話を書き始め、
 ダンボール箱に溜まるほどになりました。

 この御本には、そうして溜まった
 バーディックさんのお話かもしれないお話14作品と、
 30年間大切に保存された14の絵が収録されています。

「なぞのォ、おはなしィ?」
「がるぐる?」(←訳:謎の画家?)

 ……という説明が、どこまで本当なのかは、
 読み手さんそれぞれの判断に委ねることにしまして、
 ええ、もう!
 余計なあれこれは考えなくていいです!

 美しさ極まる画を、ただ観る。
 不思議な物語たちを、ただ愉しむ。

 それだけで、いいんです!

 思えば、数年前、
 紀伊国屋書店新宿本店さんの洋書売り場で
 この御本の原著に出会った時から
 日本語版を読みたい!誰か訳してー!と
 溜め息しておりましたが、
 ついにこうして邦訳されたとは!!

「うれしさァ、ひゃくまんばいィ!」
「ぐるがるるぅる!」(←訳:飛び跳ねちゃう!)

 スティーブン・キングさんさんたち一流の作家陣、
 そして村上春樹さんたち一流の翻訳者さんを得て、
 いっそう美に磨きがかかった稀有なる作品、
 全活字マニアさんに激おすすめです♪
 ぜひ、ぜひ、一読を~!
 
 
 
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