「こんにちわッ、テディちゃでス!
おはなやさんはァ、はなざかりィ~♪」
「がるる!ぐるるるがるるー!」(←訳:虎です!ピンクにイエロー!)
こんにちは、ネーさです。
2022年の大寒は1月20日……を前に、
お花屋さんの店頭では春の花が輝いていますね。
カラフルなスイートピーに目を奪われつつも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!
―― 江戸の旅行の裏事情 ――
著者は安藤優一郎(あんどう・ゆういちろう)さん、
2021年10月に発行されました。
『大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ』
と副題が付されています。
「ふァ~…りょこうゥ~…!」
「ぐるるるる~…!」(←訳:行きたいね~…!)
旅行。
このコロナ禍に於いて、
“自由に旅する“ことの素晴らしさ、ありがたさを
痛感させられている私たちですが、
さて、江戸の頃は、どうだったんでしょう?
教科書や参考書には、
江戸期は人の移動が厳しく制限されていた、
《入り鉄砲に出女》、とか
書かれていましたよね。
「ところがァ~!」
「がるぐるる!」(←訳:その実情は!)
著者・安藤さんは、
御本冒頭の
『プロローグ~街道には旅人がいっぱい』から、
教科書的概念を爽快に破壊してゆきます。
江戸中期の元禄年間(1988~1704)には
一大旅行ブームが到来!
旅行人口の増加を牽引したのは、女性たち!
庶民はうち揃って、
各地の寺社へ参詣に!
温泉で湯治!
熱海と箱根のつばぜり合い?
物見遊山に、お買い物~♫♪
「りょこうゥだいすきィ~なのでス!」
「ぐるるるがる~!」(←訳:内需拡大だよ~!)
人の移動を規制だなんて、嘘だった?
旅っていいわよぉ♪
という口コミは強力です。
難関といわれる関所も、なんの、これしき。
関所で女性の取調べにあたった
『人見女』に袖の下、
つまりワイロをそっと渡して、
ちゃちゃっと通過しちゃいましょう。
「ほかにもォ、ありまスゥ!」
「がるるぐるがるぐる!」(←訳:関所を破る方法各種!)
元気かつパワフルに行動していた
庶民の皆さんとは反対に、
はぁ? 旅ぃ?
と~んでもない!ダメです!な扱いをされていたのは、
将軍さま。
将軍が城外に出ることは
『御成(おなり)』と呼ばれ、
年に数回ありました。
上野の寛永寺さんや
芝の増上寺さんへの参詣、
或いは鷹狩り。
しかし、将軍家のお出掛けは、
警備の人員やら随行者やらも大移動、
道路は通行止めになるし、
周辺地域では火の使用が禁止、
銭湯も料理屋もクローズ……
社会に与える影響が大きいために、
“旅もろくに出来ない“のが、
将軍職、なのでした。
「ちょッとォ、かわいそうゥ~…」
「ぐるるる~…」(←訳:寂しいね~…)
庶民さんと、お武家さんと、将軍さん。
その立場ごとの、
観光旅行や参勤交代、
国替えによる引っ越し作戦などなど、
江戸の世の《旅行あれこれ》を辿る
明朗なノンフィクション作品は、
歴史好きな活字マニアさんに、
そして旅マニアさんにも
おすすめですよ。
いまは無理でも、
いつか、何ものにも縛られず
旅に出発できる日が来るのさ!
と再確認させてくれる一冊を、
皆さま、ぜひ♪
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