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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旅へ、旅へと ~

2022-01-16 22:32:13 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おはなやさんはァ、はなざかりィ~♪」

「がるる!ぐるるるがるるー!」(←訳:虎です!ピンクにイエロー!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2022年の大寒は1月20日……を前に、

 お花屋さんの店頭では春の花が輝いていますね。

 カラフルなスイートピーに目を奪われつつも、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  

 

 

     ―― 江戸の旅行の裏事情 ――

 

 

 著者は安藤優一郎(あんどう・ゆういちろう)さん、

 2021年10月に発行されました。

 『大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ』

 と副題が付されています。

 

「ふァ~…りょこうゥ~…!」

「ぐるるるる~…!」(←訳:行きたいね~…!)

 

 旅行。

 このコロナ禍に於いて、

 “自由に旅する“ことの素晴らしさ、ありがたさを

 痛感させられている私たちですが、

 さて、江戸の頃は、どうだったんでしょう?

 

 教科書や参考書には、

 江戸期は人の移動が厳しく制限されていた、

 《入り鉄砲に出女》、とか

 書かれていましたよね。

 

「ところがァ~!」

「がるぐるる!」(←訳:その実情は!)

 

 著者・安藤さんは、

 御本冒頭の

 『プロローグ~街道には旅人がいっぱい』から、

 教科書的概念を爽快に破壊してゆきます。

 

 江戸中期の元禄年間(1988~1704)には

 一大旅行ブームが到来!

 旅行人口の増加を牽引したのは、女性たち!

 庶民はうち揃って、

 各地の寺社へ参詣に!

 温泉で湯治!

 熱海と箱根のつばぜり合い?

 物見遊山に、お買い物~♫♪

 

「りょこうゥだいすきィ~なのでス!」

「ぐるるるがる~!」(←訳:内需拡大だよ~!)

 

 人の移動を規制だなんて、嘘だった?

 旅っていいわよぉ♪

 という口コミは強力です。

 難関といわれる関所も、なんの、これしき。

 

 関所で女性の取調べにあたった

 『人見女』に袖の下、

 つまりワイロをそっと渡して、

 ちゃちゃっと通過しちゃいましょう。

 

「ほかにもォ、ありまスゥ!」

「がるるぐるがるぐる!」(←訳:関所を破る方法各種!)

 

 元気かつパワフルに行動していた

 庶民の皆さんとは反対に、

 はぁ? 旅ぃ?

 と~んでもない!ダメです!な扱いをされていたのは、

 将軍さま。

 

 将軍が城外に出ることは

 『御成(おなり)』と呼ばれ、

 年に数回ありました。

 

 上野の寛永寺さんや

 芝の増上寺さんへの参詣、

 或いは鷹狩り。

 

 しかし、将軍家のお出掛けは、

 警備の人員やら随行者やらも大移動、

 道路は通行止めになるし、

 周辺地域では火の使用が禁止、

 銭湯も料理屋もクローズ……

 

 社会に与える影響が大きいために、

 “旅もろくに出来ない“のが、

 将軍職、なのでした。

 

「ちょッとォ、かわいそうゥ~…」

「ぐるるる~…」(←訳:寂しいね~…)

 

 庶民さんと、お武家さんと、将軍さん。

 その立場ごとの、

 観光旅行や参勤交代、

 国替えによる引っ越し作戦などなど、

 江戸の世の《旅行あれこれ》を辿る

 明朗なノンフィクション作品は、

 歴史好きな活字マニアさんに、

 そして旅マニアさんにも

 おすすめですよ。

 

 いまは無理でも、

 いつか、何ものにも縛られず

 旅に出発できる日が来るのさ!

 と再確認させてくれる一冊を、

 皆さま、ぜひ♪

 

 

 


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