テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

続巻希望の、時代ミステリ!

2018-11-05 22:16:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふうゥ~…おふしーずんッ、なのでスゥ~…」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!寂しいよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2018は
 世界王者アレハンドロ・バルベルデさん
 (国籍はスペイン、所属チームはモビスター)が優勝し、
 大観衆の歓声を浴びました♪
 ですが……ロードレースはそろそろオフシーズンに入ります。
 早くもシーズンが再開する来年の春を待ちわびながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫
 
  



       ―― 本所憑きもの長屋 お守様 ――



 著者は福田悠(ふくだ・ゆう)さん、2018年8月に発行されました。
 第16回《このミステリーがすごい!》大賞選考作品となり、
 著者・福田さんのデビュー作でもあるこの御本、
 題名や表紙の画からは――

「じだいィしょうせつゥ?」
「ぐるるがるー?」(←訳:お江戸ホラー?)

 そうよね、そう見えますよね。

 昭和の終わり頃から復権し、
 平成に入って完全復活した“江戸の妖怪&オバケたち”。

 毎月、いえ、毎週のように、
 あやかし、もののけ、といった妖しいモノ絡みの題名の新刊が
 書店さんに並びます。
 では、この御本も……?

「あれれッ? これッてェ~?」
「がるる?」(←訳:捕物帖?)

 ええ、物語のオープニングは、
 正統派捕物帳そのものです。

 江戸の町――本所の一画の水辺で
 岡っ引きの親分さんが事件の検分をしているところへ、
 奉行所の同心さんも加わって、
 犯人探しの手筈が決まる。
 町割りや住民を知り尽くしている親分さんは、
 いざ、聞き込みへ。

 という次第ですから、
 オバケの出番などないように思えますが。

「……でッ、でもォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:風向き怪し!)

 探索に取り掛かったのは、
 徳兵衛長屋(とくべえながや)の
 甚八(じんぱち)親分。

 まだ若い甚八親分と、
 親分の姉・おしのさんは町の噂を集めるうち、
 或る祠(ほこら)の評判を知りました。

   お守様(おもりさま)にお願いすれば、
   悪いやつを、懲らしめてくれる。
   天罰を下してくれる――

「てんばつゥ??」
「……がるぐるる~!」(←訳:……急に寒気が~!)

 甚八親分、おしのさんの胸中は複雑です。
 噂など信じはしませんが、
 お守様って……

 うちの長屋にある祠のことじゃないの!

「ひゃわわァ!」
「ぐるがる!」(←訳:寒気倍増!)

 幼い時分からよく見知っている
 自分たちの長屋の、小さな祠。
 そこで、いったい何が起こっているのか?
 探れば探るほど、
 親分とおしのさんの困惑は深まります。

 事件の真相は、どこに?

「おばけェじゃなくてェ?」
「がるるぐるるがる?」(←訳:人間の犯人がいる?)

 妖しい雰囲気をまといつつも、
 頁が進むにつれ、
 物語ははっきりと
 オカルティックな江戸ファンタジーの域を
 脱してゆきます。

 ネタバレを避けるためにも
 これ以上はお喋りできませんが、
 私ネーさ、終盤の展開には感服いたしました!
 著者・福田さんの仕掛けが冴える幕切れ、
 実にお見事です!

「つづきィ、よみたいィでス!」
「ぐるがる!」(←訳:続巻希望!)

 時代小説好きな活字マニアさんに、
 ミステリ好きさんにもおすすめの快作、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする