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モエ、アンケートに答える


図書館で世界旅行...
例えば「ボルフェスの図書館」は、無限の本が収蔵される図書館で、人間の認識の限界を示す。



2022年末、あるご縁でアンケートに答えた。もう時効かと思うのでこちらにも載せる。

旅や外国に住むことにまつわるQ&Aで、回答するのはとてもおもしろかった。
今読むと、自分が「おしゃれ」に関してめちゃくちゃ力を入れて回答しているのが不可思議でかつ微笑ましい(笑)。


出身地は?

神戸。


どういうきっかけで今の居住地へ? 何年目?

夫の仕事の関係で、ロンドンの南側、サリー州に12年目。
その前はベルギーのブルージュに13年住んだ(1998年から)。


他に外国に住んだ経験はあるか?

遊学で中東。湾岸戦争勃発で帰国。
前夫の関係でアメリカ。
その他学生時代の短期遊学。


今までに訪れた国は? 

とても書けない。
気に入ったらリピーターとして何度も同じところへ行くタイプでもある。


外国で暮らす秘訣は?

わたしには協調性はないし努力家でもない。
空気を読んでも明後日の方向へ行くタイプだが、サバイバル能力と「棚からぼたもち」を受ける能力は多少あると思う。
サバイバル能力とは端的に「敬意」「礼儀正しさ」だと思っている。


旅は趣味? 他には何がある?

旅は趣味。旅は生活。
世界中にある文化・文明・時代で、どのようなものやことが「美しい」と考えられているかを見聞するのが何よりも好き。
そして存在することも知らなかった「語彙」を増やすのが好き。
同じ意味で、読書、音楽とバレエ、美術鑑賞。


世界そのもの...


現地の衣食住、生活習慣などに思うことは

おしゃれはコスプレ...
「おしゃれは自己表現」という意見が多いものの、わたしは「もともとひとりひとりに備わっている、かけがえのない個性」や「唯一無二のほんとうの私」の存在を全く信じていないため、「表現する私」などどこにもないと考えている。
「私」は関係性のなかでのみ、その都度立ち上がってくるものである。

だから、わたしはブランドものも有名デザイナーが大好き、というところに矛盾がない(唯一無二の私を表現するとしたら、なぜブランドものが必要? だと思う)。

特に夜出かける時は、音楽が聞こえてくるようなドラマティックな服、おしゃれをするのが好き。
ルールは守りつつ、自分は「劇の中の登場人物」と想定する感じ。
「着回し」はしない。その時、その場だけにふさわしい服、というのが好き。

「らしさ」や「流行り」が求められないのはいいところ。


食べ物に関しては、英国ではがっかりすることに慣れた。
ベルギーでは、いつ何時でも外のテラス席で飲食するのが好きで、自分もそうなった。

住居は...わたしは断捨離をしない。


今住んでいる国・街のいいところと悪いところは?

街のよいところは「腐っても鯛」ロンドンが近い。ジャーナリズムがおもしろい。放っておいてくれる。ここで滅びゆく「大英帝国」を見届けたい。
悪いところはネオリベが過ぎ、格差が激しい。EU離脱後の後始末ができない。
何料理も英国にかかるとまずくなる(<日本の正反対)。
ベルギーの社会福祉国家性。


今住んでいる国・街で驚いたことは?

英国では知らない人とすぐに会話が始まって盛り上がる。
食べ物が本当にまずい。
ベルギーのビズ挨拶(頬に三回のキス)が大嫌い。


理想の街があるとしたら、それはどんなところ?

ある種のアナーキーな街。
カオス、無秩序で殺し合い...ではなく、住人が「自らの意思で自らを律する自由」を持っている。みなが自由に振る舞い、他人の自由も尊重し、社会の弱者が最も尊重される街。公共性の高い街。


日本らしさとは?

何はなくとも食べ物の質と、水回りの清潔さにこだわるところ。
人間が成熟するための「道」(茶道とか、武道とか)が豊かである。
集団の中のポジション争いに熱中する。
臭いものには蓋。
島国。


無人島に何か一つ持っていくとしたら?

何かの専門家をひとりお願いします。
文学者や哲学者、物理学者がいいです。


人生を変えた旅先は? 

イスラエル
ジンバブエ
かつてのユーゴスラビア
メキシコ
サンフランシスコ


世界は劇場...
世界旅行のみならず、あの世旅行にも出かけられる。


旅先の喜びとは?

夜中に目が覚め、自分がどこにいるのか分からなくなるとき。
コスプレをして化けて、小説の中にいるつもりになるとき。
その土地で「最高に美しい」と考えられているものを見るとき。


好きな街、住んでみたい街は 

好きな街は神戸、ヴェネツィア。水のある街が好き。
住んでみたいのはパリと東京とウイーン。


一番好きな、あるいは印象に残るホテルは 

アマン・ヴェニス。
同スヴェティ・ステファン。


今後、訪れてみたいところは

イスパハン(イラン)。
ウダイプル(インド)。
サマルカンド(ウズベキスタン)


行ったみたい時代は?

世紀末ウイーン。
居留地が開かれた当時の神戸(19世紀)。
古代オリエント各地や古代日本は、憧れるけれど生きていける自信なし。


死ぬまでに挑戦したいことは

オリエント・エクスプレスに乗る。
シベリア鉄道に乗る。
ピアノでリストの某曲を弾く。
がらくた店、店名"Les regrets"「後悔」を開く。
神戸の異人館街で、夫にベルギー風喫茶を営業させる。
空き箱博物館を開く。
政治家になる。


好きな言葉と座右の銘は?

好きな言葉は「アップグレード」(笑)。

座右の銘は、Tout m'intéresse, tout m'étonne 「私にとってはすべてが興味深く、すべてが驚きである」モンテスキュー。
「明日死ぬとしても、今日は花に水をやる」。
「なんぼでもあるぞと滝の水は落ち」前田伍健。


人生の意味とは?

人生は非意味です。無意味、ではない。
その上で、フランクル『夜と霧』から、人生の意味は、他人に「生きる意味」を与えること。


人生最後はどこに住みたい?

旅先の野垂れ死で。
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