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ルーベンスの女








ロイヤル・バレエの「白鳥の湖」鑑賞前に、王立芸術院で開催中のルーベンス展を見た。

ルーベンスと言えば、生前から大芸術家として大成功し栄誉をほしいままにしたばかりでなく、裕福で、宮廷の外交官を努めるほど知的で、幸せな結婚をし、性格も穏やかで明るく、健康で、男前でとまるで言うことなし。痛快な男だ。


展覧会の主題は、ルーベンスが、弟子のヴァン・ダイクからドラクロワ、セザンヌ、そしてピカソを経て、ベーコン、フロイド(の溶けなかった系)、デ・クーニング、ポロック(の溶けた系)に至るまでグランド・マスターとして与え続けた影響力を見る、大変充実した展覧会だった。

「フランダースの犬」の画家志望のネロが、死ぬまでに一度ルーベンスの「キリストの昇架」ならびに「降架」を見たいと願ったのも写実であったのだ。
(ルーベンスの)感情面は平凡なので捨てたが、構図は積極的に取り入れたアーティスト、色を、ペーソスを、動きを、主題を真似たアーティスト...

展示物もものすごく多く、ひととおり見るだけで4時間以上かかった。


その後「白鳥の湖」を見ていると、舞台の上の白鳥の肌の色が、ライトのせいもあるだろうがはっきり「ルーベンス肌」でぞくぞくした。
すなわちピンクと白に青と緑...
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