goo

laduree @ london




ブログを読んでくれている友だちから「Moetさんロンドンへ行けてないの?それはMoetさんらしくない。かわいそう...」というメールをもらった。大丈夫。Rさん、行ってます(笑)!今のところ週1、2のペースですが。

昨日もロンドンオフィスへ行く夫について行った。
夫がオフィスで何時間か過ごす間、わたしは好きにする。頃合いを見てまた拾ってもらう。平日はそんな感じで行くことが多い、ロンドン。


昨日の主な目的は、昨日のブログ記事を書いていて何が何でも食べたくなったラデュレと、シャネルのクリスマス限定コスメと、ハロッズで5日から秋冬物3割引をやっていることだった。

シャネルの限定コスメは2店舗見たところもうすでに完売で(泣)、3割引の方は Jason Wu も Antonio Berardi もサイズ欠け、がっかり(で、定価のをしっかり買ってしまうという罠にもはまり)。
でもラデュレはマッチ売りの少女を腕を広げて迎えた祖母のように暖かくやさしくわたしを待っていてくれた(笑)。


ラデュレ...わたしの中ではソフィア・コッポラのマリー・アントワネットの世界というよりも、1979年に公開されたサンリオの人形アニメーション映画「くるみ割り人形」の色合い。

「少女期」あるいは「ギロチンに消える運命の王太子妃」という人生の儚さを形にした、食べたらなくなる儚いお菓子。

美しさというのは、儚い、すぐになくなる、ということを前提にしているので、最近たくさん生産されているキャンドルやショッピングバッグなどのラデュレ雑貨は、ショーケースの中のお菓子ほどは美しくなることができないのである。



ビジネス快進撃を続けるラデュレは、夢夢しく限りなく愛らしく美しく、花やケーキや装飾品を売る店は別世界のように美しくなくてはならない、あるいはホリー・ゴライトリーにとってのティファニーでなくてはならない、というセオリー(わたしの作ったセオリーだが)のお手本的商売を展開しており、また見ても食べてもとても繊細でおいしい。

しかし、ベルギーではブルージュにもブラッセルにも(ブラッセルには最強の日本人パティシエがあるのである)その辺にいくらでも綺麗でおいしいパティスリーがあったし、パリでも同様であるし、ラデュレは行く気になったとしてもどこもいつも激混みなので、待ち合わせに使う以外はほとんど興味はなかった...というのが本当のところだ。

今、わたしは手の届くところにあった夢がかき消えてしまったのを惜しんでいる。


英国在住歴の長い方にお会いしたら、必ず「綺麗でおいしいケーキ屋さんはありませんか?」と聞かずにはいられない。
わたし、甘いものはそこまで好きな方ではないが、美しいケーキ屋があることはすなわちその土地に「何か」があることである、という幻想に突き動かされて質問するのだ。
ああ、わたしのティファニーはどこにあるのか。

でも、お返事はそっけない。
(もちろん英国にはアフタヌーン・ティーという西の横綱があるわけだ。でもその話は別口で、またの機会に)


パリのお菓子...これからもわたしに夢を食べさせ続けて欲しい。
パスポートが戻って来たら、一番にパリにお洒落で儚いお菓子を食べに行こう。



でもって、夕食後に家族でケーキを食したのだが、わたしはすでに赤ワインが入っていて、この写真を撮ったのも、そしてケーキの味も、夫のモンブランが一番おいしかったということ以外あまり覚えていない...やっぱり儚い(笑)。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )