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ロマンティック




温暖な神戸山手育ちにとっては、外出が命がけなほどの冷え込みが続いている。
ベルギー在住13年目、今年が確実に一番寒いと思う。


娘の親友を半日預かったら、そのご家族が、クリスマスマーケットでごちそうするからマルクトで待ち合わせよう、と電話して来た。


クリスマスマーケットの飲み物は、グルウウェイン(ホットワイン)、アイリッシュコーヒー等のリキュール入りコーヒー、ホットチョコレート、スープ...ここまでが暖かい飲み物だ。
その他、冷たい飲み物としてジュネーバ(スピリッツ)、ベルギービール、スパークリングワイン、コーラ等のソフトドリンク...そんなメニュだ。


正直言ってクリスマスマーケットにはわたしが飲みたいものはない。

わたしの「いつものやつ」である赤ワインはおいしい試しがないし、第一、寒い屋外では暖かい飲み物を飲みたいが、あたくしは「甘い飲み物」が唯一嫌いな飲食物である身の上(だからスターバックスでも、フレーバーなし、トッピングなしの普通のコーヒーしか飲むものがない)。みなが嬉しそうに飲んでいる甘いホットワインもホットチョコレートも、安物のスパークリングワインも、考えただけで胸が悪くなる。
あ、砂糖なしのチャイとかあったら飲みたいですな。残念ながらベルギーにお紅茶文化はない...

もちろんわたしも大人だから、おつきあい上、にこやかにスムーズに何かは注文しますけど。


閑話休題。


それで普通のコーヒを頼んだのに、リキュール入りのコーヒーしかないと屋台のオヤジは言う。

娘親友父にシャンパンをすすめられて飲んだ。わたしを凍死させるつもりか。

しかし意外なことに、氷点下の世界で飲むと、食道から胃に冷たくやわらかいリボンを入れたような感触が走ると同時に、身体が内側から発光するように暖かくなるんですな。さすがシャンパン、ステキな飲み物よ。


シャンパンを飲みながら娘親友母とそのご長女に「ああ、お日様が一年中微笑んでいるような国に住みたい...」と訴えると、二人ともむしろ寒い冬が大好きだと言う。

特に14歳のご長女は「寒いのはロマンティックに欠かせない」と「TVや映画の中の恋人たちに毒されて(曰く娘親友母)」いるそうな。暖炉の前でトランプをしたり、小雪が舞う中を腕を取りあって歩く、そんなイメージ。

かわいいなあ。
寒いのってロマンティックなんだなあ。

まあ、そうでもなければ場末感漂う(数日前にも書いたが、場末感漂うと思っているのはどうもわたしだけらしい)クリスマスマーケットで、使い捨てカップに入った酒をわざわざ飲んだりしませんよね。

頭の中で舞うチョウチョを追いかけているのではないかというくらいロマンスの追求に熱心なうちの旦那が、クリスマスマーケットで安い酒を飲みたがる理由が分かった。


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