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さらばシベリア鉄道




悲しみの裏側に何があるの...

受験生の時、深夜ラジオで聞いて、その歌詞の奇妙さから忘れることができない(大瀧詇一のバージョン)。


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友人と「死ぬまでに行きたいところ」について話していた。


「Moetさんってどんな人かって聞かれたから、『今日一緒にお茶をして、明日、アレキサンドリアから電話がかかってきても不思議ではない、そんな人よ』と言った。」
20代の頃、わたしは親友からそのように評された。


筋金入りおっちょこちょい(イラチ、と言った方がいいのだろうか)で、行きたいところがあったらとにかくそっちの方向に歩き始めるタイプである。だから、死ぬまでにぜひ行きたいところには、死ぬまでに...と夢想する以前にどんどん行ってしまう。
それでも再訪問をしたい所はたくさんあるし、いつか平和になったらメソポタミアの遺跡を見たいなどという類いの夢はあるが。


そんなイラチでもずっと気がかりで未だに実現していないのが、「シベリア鉄道でモスクワからウラジオストークまで大陸を横断する」ことだ。
シベリア鉄道は上記の大瀧詇一の歌により、ウラジオストークの神秘はNHK深夜ラジオ(<わたしの青春はこればかりだったのか...)により、わたしの中でネバーランドのような憧れになっている。

今もやっているのかどうかは知らないが、当時NHK深夜ラジオのシメで世界各地の天気の放送があり、緯度、気温、雨量などが粛々と読み上げられた。
放送局のスタジオ内のシーンという音が聞こえてくるかと思うほどの深閑に乗って、遥か彼方の闇から悪魔のように落ち着き払った声が、「ウラジオストーク、○○バーレル...」などと言う。地球の現実をすべて数字に還元し、手に取って見ているような感じがディアブロぽさを増長したのだ。

すべてが読み終えられると、その日の放送は終了し、その後、電波のテスト音(?)が高い周波数でキーンと流れる。

この一連の流れが10代のわたしを恍惚とさせたのである。
完全に頭のおかしい受験生である。


新潟から船で行けるというロシアの極東...ウラジオストーク...


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あと一つ思いつくのは、クリステヴァ経由で読んだソレルスの小説の中に繰り返し出てくる「レ島(イル・ド・レ)」。
ここは実際訪れるよりも、小説の中のイメージに漂っていた方がずっと良いような予感がするので未訪問。

わたしにはソレルスのようなエロい愛人もいないし、フランス語で言語学を語ることもできないから、今後もたぶん行くことはないと思う。近いけど。



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