
世界最大の船は、1979年に日本で建造されたタンカー、ノック・ネヴィスです。
全長458,5メートル。全幅68,9メートル。喫水24,6メートル。28万6675トン。
搭載される石油量は56万トン。
建造された当初の船名は、シーワイズ・ジャイアントと言いました。

しかし、現在この船は存在しません。2011年に解体されました。
この超大型船は、パナマ運河もスエズ運河も通る事は不可能です。
第二次世界大戦終了後、世界の石油需要は急増し、多くのタンカーが必要とされました。
1950年頃の世界の標準的なタンカーは、約1万トン。
1960年になると2万7000トンになり、
1962年には、4万5000トン。
1966年には、9万4000トン。
これもすぐに出光丸の10万7000トンで、タンカー10万トンの時代になり、
1975年には20万トンの時代になります。
(作曲家の黛敏郎氏が作曲した:出光丸行進曲:というのがありました)
そして冒頭の超巨大な世界一、シーワイズ・ジャイアント、28万トンがその頂点に達しました。
しかし、一回に運ぶオイル量が大きいと、一回あたりのコストが安くなるからと言っても、
パナマ運河もスエズ運河も通れずに、
南米大陸やアフリカ大陸を迂回すると莫大な日数とコストがかかり、
それにその他の海域でも通れる海域が限られてしまい、
航行海域や入港可能な港の制限を極端に受けやすくなり、むしろ不経済になってきたのです。
更にタンカー事故による海洋汚染に対する世界的批判が高まり、
現在は12~15万トン程度になっています。
2013年に韓国で60万トンの船が建造されました。
全長488メートル。全幅74メートルと、
世界最大だったタンカー、ノック・ネヴィスより更に大きいのです。
なんですが、実はこの船は「船」と呼んでいいものなのか。
天然ガスの洋上液化設備としてオーストラリアの沖に設備され、
そこから動く事はないのです。
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