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カツラをかぶるしかなかった娘

2024-07-28 16:34:43 | 日記
15歳で母親から整形手術を強要されて泣いた、
とかいったネット記事を見て、遠い昔の事を思い出しました。

1916年(大正5年)生まれの母は、
満州・瀋陽市(昔の奉天)の東、右側50キロに在る、
本渓市(昔の本渓湖)という炭鉱町に住んでいました。







しかし、その小さな炭鉱町には学校が無かったので、
300キロ離れた遼東半島の先端に在る旅順高等女学校の寄宿舎に入りました。
先端の旅順の手前30キロには、「アカシアの大連」で有名な大連市が在ります。





母が存命中の20年くらい前だったか、
恩師である女性教師の写真がネットに載っていて、
とても驚くと共に、母は懐かしがっていました。

旅順高等女学校は、現在の中学2年から高校3年生くらいまでだったみたいだ。
(4~5年間という事なんで多分そうなんだろう、ハッキリしない)
修学旅行とか運動会とかの写真を沢山見ました。
クラスいち美人だった子が、後に自殺しちゃったのよ、などと聞いた事もあります。

そんな寄宿舎での青春時代だったのですが、
同じクラスメートに、その娘がいました。



彼女の髪の毛は、黒人みたいなチリチリ髪だったのです。
若い女の子らしくブラシで髪の毛をとかしたくても、出来ないのです。



こういった真っすぐな黒髪に彼女がどれだけ憧れたでしょう。
どれだけ羨ましかったでしょう。
でも神様は残酷な運命を彼女に与えるというミスをしてしまいました。

母はある時、その彼女に頼まれて旅順の街に一緒に行ったそうです。
それは、彼女の頭に合せた(カツラ)が出来上がったからでした。
自分の頭に合せてスッポリかぶる、これからの自分の頭。
まだ10代の若い娘の自分。
でも自分は他の娘たちとは一生違った人生を歩まなければならない、という自覚。
初恋、素敵な男性に胸を焦がし、恋心も抱くでしょう。
でも、そんな時、脳裏を横切るのは、偽りの頭、髪の毛。

カツラが出来上がったのが美容院だったのか、何なのか知りませんが、
それを手に取った彼女は、大粒の涙を流し続けたそうです。
さめざめと泣き続けていたそうです。
嬉しかったのか、悲しかったのか・・
その話を母から聞かされた私も、泣いてしまいました。


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