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思い出の表銀座縦走

2021-09-21 07:20:41 | 登山


「表銀座縦走コース」は、北アルプスの入門コースと言われています。
私がそのルートに行ったのは、30代前半だったか?
元々記憶力の悪い私が、何の記録も執っていなかったのですから、
それは誰にも分らないのです。

ただ丹沢ばかりを歩き回っていた私が、
初めて北アルプスに行って度肝を抜かれたのは白馬岳でした。
その時入っていた町の山岳会の年上女性と2人で行ったのです。
参加予定者の女性1人が前日になって急遽行かれなくなり、
仕方なく2人で行ったのでした。
初めての北アルプスという事で、沢山の感動のあった山行でした。



さて、その表銀座縦走ですが・・・
私はその頃、8ミリに凝っていて、カメラを持って北アルプス縦走記録を撮ろうと、
張り切って行ったのですが、新宿から特急あずさに乗ってから、
カメラが故障しているのに気づき、大あわてで電車を降りて、
銀座にあった8ミリカメラメーカーの(エルモ社)に行って泣きつき、
代替えのカメラを借りて再び新宿から、あずさで行ったのです。

8ミリカメラのフィルムは、たった3分30秒(?)だったかな、
それだけしか撮れない時代だったので、
私はフィルムを20本くらい持って行きました。
それは重さというより、とにかく容量がかさ張るのです。
20本全部を使ってもたった1時間10分しか撮れません。
現在のカメラのSDカードが何時間でも撮れ、
またカードなど薄っぺらいので何枚でも持っていかれますから、
まさに信じられない進歩で隔世の感があります。



1泊目は中房温泉。



そこからいよいよ歩き始め、2泊目は燕山荘(えんざんそう)



燕山荘から、遥か彼方に槍ヶ岳の姿が見えました。
その雄姿を見た私は武者震いがしました。



燕岳は花崗岩で出来た独特の山頂です。
この表銀座縦走コースは、絶えず槍ヶ岳を見ながら進むので、
とっても気分が良く、徐々に近づいて来る槍の雄姿はそれは素晴らしいのです。



大天井(おてんしょう)岳を経由して次の宿泊地はヒュッテ西岳。
前日の燕山荘が大きかったのに比べ、かなりこじんまりとした山小屋です。
翌日はいよいよ近くなった槍ヶ岳を眼前に仰ぎながらの登山。





槍ヶ岳山荘に到着。
その日は小屋でゆっくりしました。
「明日の朝に槍の頂上に登ればいいや」

翌日・・何と雨だったのです。
視界はゼロ、これじゃ登っても何も見えないけど、
ここまで来て登らないのも心残りになるから、一応登るか。
カメラも何も持たずに私は手ぶらで頂上に登りました。
私の他には男性2人のグループが一組だけが頂上には居ました。





日本第5の高峰、槍ヶ岳(3180メートル)の頂上はこんな感じで、
20人も居ればもう満員になってしまいます。

しかし、そこでトンデモナイ事が起こったのでした。
何と雨は上がり見る見るうちに晴天に変わっていったのです。



そこに現れたのは「ブロッケン現象」
生まれて初めて登った槍ヶ岳で、生まれて初めて見るブロッケン!
しかし、私は何も持っていないのです、カメラは山小屋に置いてきたのです。
私は己の網膜にその神々しい光景を焼きつけると共に感じたのは・・・
あと2人の登山者。
「あいつらさえ居なかったら、俺一人だけのブロッケンだったのに~」
私はそいつらを蹴飛ばして叩き落とそうとさえ思ったのでした。
それをやってたら、今の私(栄光の私)はなかった。蹴っ飛ばさないで良かった~。
しかし、ブロッケン現象は凄い。
自分が神様にでもなった様な、神々しい鳥肌ものの感動です。

表銀座と言うからには、裏が在るのか?
在るんですね裏銀座縦走コースが。



高瀬ダムから登山開始、野口五郎岳・水晶岳・鷲羽(わしば)岳・
三俣蓮華(みつまたれんげ)岳・双六(すごろく)岳・そして槍ヶ岳。
表銀座コースは一日のコースタイムが4~5時間なのに比べ、
一日9~10時間という長丁場。
これはアルプス初心者にはかなりキツイコースです。

槍ヶ岳から上高地への下りは長いのですが、
何にか達成感や満足感に満たされた心地良さに包まれているのです。
上高地・・日本一好きな(俺の風景)河童橋の畔で飲むコーヒーの美味さ。
そして大好きな松本の街でホテルに泊まり、汗を流し、
汗臭い衣類は全部、ホテルのランドリーで洗濯、乾燥。
翌日は、爽やかなイッチョ前の山男を気取ってのご帰還。

ホントに表銀座縦走コースは素晴らしい。






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