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パンチドランカー

2023-07-20 07:54:12 | スポーツ
慢性外傷性脳症というのが正式な名称ですが、
最初にボクサーから見い出された事により、
パンチドランカー(和製英語)と呼ばれる様になりました。



左が正常な脳であり、右がパンチドランカーの脳です。
1928年に法医学者のハリソン・マートランドが、
世界で初めてパンチドランカーについての医学的説明をしました。

ボクシング以外でも、アメリカンフットボール・アイスホッケー・サッカー・
プロレス・野球・剣道といった接触の多いスポーツに多いようです。
頭部に強い衝撃を繰り返し受ける事が、
パンチドランカーの原因になると考えられていますが、
全てのアスリートが発症する訳ではなく、
2005年頃より本格的な研究が始まったばかりの疾患という事もあり、
詳しい事は判明していません。



よく、例えに言われるのは、鍋に水を張った中の豆腐。
鍋が強い衝撃を受けても、鍋自体は壊れませんが、
中の水に浮かべた豆腐(脳)はグズグズになってしまうのです。
これは素人判断ですが、極めて「言い得て妙」だと思います。

症状としては、頭痛、身体の震え、どもり、バランス感覚の喪失、
認知障害、人格変化など・・・・
家庭内暴力の被害者、
ロックバンドなどで激しく頭を上下に振る演奏者などにも発症するそうです。



プロレスラーの、ダイナマイトキッド。
小さな身体を鍛え上げ、あの、初代タイガーマスクと数々の名勝負を演じ、
タイガーマスクと双璧の空中殺法でファンを魅了した名選手でした。
彼等はお互いに(人生で最高のライバルであり彼が居なかったら自分は無かった)
とまでお互いを讃え合った二人でしたが、
その末路は悲惨でした。



もう自分の体も動かせず、言葉もままならず、
愛する妻の介護を受けながらベッドに身を横たえていましたが、60歳で亡くなりました。



格闘家。マイクベルナルド。191-110
パンチドラカーに悩んでいましたが、42歳で自殺。



格闘家、ゲーリー・グッドリッジ。191-109(57歳)
腕相撲世界一から格闘家になりましたが、2012年にパンチドランカーとされています。



ロジャー・メイウェザー(59歳没)

あの、偉大なる名チャンピオン。メイウェザーの叔父さんで、
彼も世界チャンピオンまでいきましたが、パンチドランカーになってしまいました。



その偉大なるチャンピオン、メイウェザーは、
叔父さんや、モハメド・アリの病状を見て、自分はそうなってはならないと、
回避と防御を重視した戦術を採ることに徹底しました。



日本チャンピオンまでいった、たこ八郎。(44歳没)
彼が典型的なパンチドランカーだったのは有名で、
彼はずっと夜尿所に悩まされていました。



モハメドアリ。(74歳没)
彼の戦い方は長身を生かした、頭部を打たせない戦法でしたが、
それでもパンチドランカーだったと言われ、最後はパーキンソン病まで抱えてしまいました。



大木金太郎は原爆頭突きと言われた、強烈な頭突きを最大の武器としたプロレスラーでしたが、
やはり、あぁいった頭部への衝撃はいい筈がなく、パンチドランカーになりました。
(77歳没)



そして今、あの偉大だったチャンピオン、
辰吉丈一郎(52)が、パンチドランカーではないかと噂されているのです。

プロスポーツ選手というのは、
己の肉体がすべてであり、それを出し惜しみなど出来る筈はないのですが、
その中でも格闘技は、まさに命を削る危険と隣り合わせのスポーツですね。
最近、サッカーのヘディングはやめようとかの話が流れていますが、
本当に、現在のままだと、パンチドランカーはまだまだ出てくるのでしょう。




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