私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

普賢院への初詣

2009-01-01 17:44:05 | Weblog
 除夜の鐘を聞きに町内の普賢院にお参りしました。
 本堂では和尚様による読経がようやく始まったばかりです。入口の扉も開けられ、真っ暗なお堂の中には、お寺にお参りの人のためにでしょうか、ストーブの火が赤々と燃えています。そんな本堂を回って、まず初めに、裏手にある鐘つき堂に参ります。若いお坊様による読経と突く鐘の音が、寒々とした明け初めた新年の空に響いています。そこで、しばらく鐘の音を聞いてから、次に、聖天様の御堂に回ります。締め切った明るい広いお堂から、これまた若いお坊様による木魚の音に合わせて読経の声が響きます。
 この普賢院の向こうにある吉備津神社へお参りする人々のせわしげに行き交う気配が、がやがやと聞こえてきて、読経と鐘の音のこの寺の新年の厳かさを一層盛りたててくれて、清新な心が呼び込められるような気がします。
 そんな木魚と鐘と僧侶の読経が流れる中を、再び、本堂にお参りします。
 明け放たれているお堂に上がり、私には分からない読経のための儀式があるのでしょう、そんな作法通りの儀式が行われている真っ最中の和尚様の後ろに正座します。胸を貫いて永遠の世界に引き込まれそうな読経の声は、所々に灯されている燈明の堂内一杯に広がります。
 空の世界を漂っているかのようです。何となく自分も今年一年の幸を授かったように思えます。
 
 「こんなに寒いのに、行かんでもええが」
 「どうしても今年は参りする」
 娘たちと義母との今年最後の小さな争いがありましたが、結局、母親が勝ちます。
 そんな母を伴っての今年のお参りでした。足の悪い母は本堂にまでは上がれません。私が母やその娘たち3人を代表して3本のお蝋燭とお線香を供えて来る年への希望を祈ります。
 灯した3本のお蝋燭の火がゆらゆらと燃え堂内に輝きます。お線香の煙もその光と競合するかのように、ふおふおと、和尚様を通り越して、御本尊様の方へ吸い寄せられて行きます。お鐘突き堂からは鐘の音が、聖天様からは木魚の音がその光と煙を守ってくれるように届きます。
 
 「ああ、今、私はみんなと生きているのだ」という強い気持ちにさせてくれた今年の私の初詣でした。
 

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