私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

“うべしこそなべて情浅けれ”

2013-06-19 12:20:22 | Weblog

 万葉歌人である柿本、山部両大人の歌のあはれなる情を深くしたい、その詠まれた情に付いて深く理解して、その歌に積極的に取り入れたのが紀貫之だと云うのです。そうであるにも係らず現代の、江戸後期の歌読みは、見て習うこともせず、それらの優秀な歌に付いて何一つ知りもしない。だから、いい歌など詠めるはずがない。その為に、“今ようの歌は、うべしこそなべて情浅けれ。”と、高尚は言うのです。
 唯、今の歌読みも貫之を大変尊敬していることは確かですが、それは、貫之が昔から尊敬されているから、その歌に表されている情がどうのこうのと云うのではなく、真の歌のねうちなどは考えないで、漠然と、貫之の歌はいいもんだと思いこんでいて、誰もかれも貫之の歌を目出ているに過ぎず、“歌といふものは、しらべだけよければと、あさはかにこころえていふなり”と。


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