私の町 吉備津

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1萬両もの借金を

2012-10-09 19:37:26 | Weblog

 1萬両もの借金を、此の宮内の大親分岡田屋熊次郎はどのように返したかと言うお話ですが。昨日も書いたのですが、今のお金にすると4000万円にも相当する額です。

 熊次郎がやったことは、1万両と言う借金を、先ず、その返済のための宣伝のトップに据え付けたのです。誰もが考え着かない方法を考えたのです。普通なら、自分の負の事実は隠そうとするのですが、熊次郎は、さも、それを誇らしげに、そうです。「私は、今、借金が1萬両あるのです」と宣言したんです。
 「万両祝い」と銘打って、その溜まりに溜まった借金の祝いをしますと、全国のやくざの親分に知らせたのです。当然それを見て、やくざの世界にいる人達だけでなく、また、備中宮内という吉備地方のごく狭い一部の土地だけに限らず、1萬両と言う借金返済の為の宣伝を全国的規模を視野に入れて、拡大したのです。熊次郎と言う親分の強かさがここに有ります。その規模を広く日本全体を見据えていたのです。現代社会の政治的体たらくを見ておれば、現在、熊次郎が生きていたならと思わずにはいられません。

 この時、熊次郎が計画した特別な祝いは最初はやくざの世界だけに限って行ったのですが、それは噂が噂を呼び。そのことは熊次郎はその考えの中に有ったかそうではなかったのかは分からないのですが、いやがうえにも一般の庶民達も巻き込んでしまったのです。「果たして、熊次郎親分は何を考え、どんな祝いの企画をするのだろうか」と、みんな興味津津として、その方法を驚異の心で見守っていたのだそうです。
 そうです。どんな方法があるのか、1萬両もの金をどのようにして集めるのかと、人々は当然知りたく大いに関心を示したのです。それも全国規模でです。だから、当然人から人へと「今度、熊次郎は1万両の借金をしたことを祝う会をする」のだと伝わります。
 現代のテレビ等よりももっと急速に、現代のマスコミ以上の力で、その宣伝がたちまちのうちに全国に広まって行ったと言われます。そして、日本全国の人々の関心がこの時は、此の宮内の熊次郎一人に集まったかのように思えたと、当時の人は語っていたと言い伝えられています。

 さて熊次郎は何をしたのでしょうかね。


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