私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

宮内での諸興行

2013-01-28 11:22:21 | Weblog

 当時岡田屋熊次郎が企画し実施された富籤などの興行、特にこの内富籤は一ヶ月に三日、十九日、二十八日の三日間開いていました。ただ、この博打と富くじだけではその経済効果は薄く、更なる効果を高めるために取った熊次郎の企画が有りました。それは、この宮内が御朱印の芝居という特権を利用して行われた春・秋の2回の芝居だけでなく、その他相撲、浄瑠璃、2輪加などの芸人を日本全国から呼び寄せてその興行を打っております。それも、ただ不定期にと云うことではなく、宮内にある普賢院の歓喜天大師、天満宮・弁財天、更に片山にある粟島宮等に奉納するためと銘打って色々な興行を定期的に行っていたのです。それらを総合的に興行することでより多くの経済効果を生んだのです。その企画がよくもこんな鄙の田舎で行われていたかと思うと岡田屋熊次郎という人物の大きさを思わずにはおれません。尚、其の為に、この熊次郎は、年がら年中、その興行の為の芸人捜しに、日本全国を飛び回っていて宮内にいたのは少なかったと云われます。しかも、その芸人は当代随一と呼ばれる様な超一流人物を招聘していたのです。そこら辺りも此の宮内が、当時、[あそこへ行けば本物が、しかも、超一流の芸が見える」と、ただ、備中だけに留まらず、全国的にその名を馳せさせる原因にもなっていたのです。