私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

知っていますか「小正月」を、また

2013-01-15 19:56:40 | Weblog

 今日で幕の内は終わりです。昔は、と、云っても今から僅かに4、50年昔のことですが、我々の村々では、この日は「小正月」と呼ばれ、正月行事が終わり、明日から、正月気分が抜けて、いよいよ総ての農作業の始まりです。その為に、今日1月15日、家々では最後の雑煮を炊いて、今年一年の豊作を、此の雑煮に託して祈っていたのです。それから正月のお飾りを下ろし、「とんど」をしたものです。

 なお、この小正月に先だって、11日には「やれぼう」という行事がありました。壮大に、しかも、果敢に、まだ明けやらぬ空の元に行う農村の正月一連行事です。この時、牛にも特別に仕立てた正月走を食べさせていたように思われます。牛にも御雑煮を上げていました???人と牛が一緒に、共に正月を祝っていたのです。何かほのぼのとした温かさが我々の身辺にはあったように思われます。今はないのですが???

 そうです。小正月の前の1月11日の行事です。農耕用にっていた牛を追い、畑まで駆けて行くのです。農夫は夫々に鍬を担いで牛を追います。その時の掛け声が「やれぼう。やれぼう」です。
 こんな行事は戦中、青年が村から姿を瀬す戦時中にも細々と続いていましたが、戦後もしばらくは続いていたのではないかと思われますが、昭和22、3年以後、民主主義のの考え方が我々の村々に入ってきてから、いっぺんにその姿は完全に消えてしまいました。ただ、父親などの話として聞いて、そんなこともあったかなあと、おぼろげに頭に残っていたこは確かですが、もう今ではそんな話すらすら聞いたことは絶えてありません。

 尚、この「小正月」という言葉、「2月1日」だという人も居りますが、私の記録では、それはないと思います。2月1日は、私が育ったでは「ひてえしょうがつ」といって、正月が1重(ひとえ)で、一回りしたという意味だと考えられます。
 矢掛町辺りでは、どうしたわけか分かりませんが、2月1日も小正月とも呼んでいると聞いたことがあるのですが、それは間違いです。