この大石が宮内に泊った元禄という時代は、言わずもがなだとは思いますが矢尾牛骨は書いています。
「・・・天下泰平を謳歌し諸国の武士は漸く惰弱に流れ華美を競ひ武道も衰えんとする時代なれば宮内の繁栄亦想ふべし。公辺に飯盛奉公人といへる名目の下に女郎芸妓を抱へ居たるも世の中の華美贅沢を極むる時代なれば優美を誇る此地の京大阪地方より妓を抱へ来りたるものにて、此地に稼ぎ年老い又は流行せざる妓は雲州松方面に送られしを普通としたるものなりと古書類又口碑に伝へ居れば此地の遊郭は粋を蒐め居たるものならんか」
と。
この時代の宮内の繁華は、今からは決して想像もつかないほど「華美贅沢を極めていたらしいのです。その時代にタイムスリップしてみたい気になります。