私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備津神社夏祭り

2008-07-31 21:47:02 | Weblog
 吉備津神社の広場から聞こえていた宮内おどり音頭の音も止み、真っ暗な闇の中に薄ぼんやりと吉備の中山の姿がほんの少し夕明かりを残している空に描き出されています。
 今宵は吉備津様の夏祭りです。わくぐりさまです。大勢の近隣の人々がお参りに来ていました。
 このお祭りを毎年盛り上げているのが、宮内おどりです。哀愁を帯びたゆったりとした曲が夕闇迫る吉備津の空に流れ、保存会の人が中心となって踊りの輪が繰り広げられています。窓の向こうから流れ来るこの曲は、聞く者をして、いつも何処か古い時代の、それは母の胎内にいた時分かも知れません、そんな時代にかすかに、いや、きっと何処かで聴いたような思いに駆らされずにはいません。郷愁の思いと言うのとは又違った祖先からの響きとでも言った方がいいような懐かしさが胸に迫るように思われます。
 この宮内おどりは、現在、岡山県の三大盆踊りとして無形文化財に指定されています。
 お江戸の宝暦の頃(1750年ごろ)この踊りの振り付けは浪速千両役者三枡大五郎と言う人が芸者踊り(お座敷踊り)として創られたと言う事です。その踊りが後に、盆踊りとして一般大衆に踊られるようになったといわれています。
 現代流に言うと、何処の踊りよりも品格のある奥底深い盆踊りとなっています。
 ・・・花を咲かせて万々歳と 千代や八千代の玉つばき 細谷川の末永く 語り伝えるうれしさよ・・
 と、今夜も中山にこだましています。三枡が振付けた当時の歌は今では残ってないと言われています。しかし哀愁を帯びたその音頭だけは、今も、熱よく息付いていて吉備津の人々の共感を駆っているということは確かです。
 そんな歴史をを知るかしらでかは分らないのですが、大勢の老若男女が今日も無心に踊りの輪に加わっていました。