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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

行者ニンニク

2020年05月01日 | 環境システム科
ニンニクの香りがする山菜の行者ニンニク。
天然物はちょうど今が旬らしく、このところ産直センターでよく見かけます。
環境システム科ではこの行者ニンニクの水耕栽培に取り組んでいます。
行者ニンニクはアサツキやニンニクと同じネギの仲間ですが
下部が太くなったり、大きな球根ができるようなことはありません。
茎と葉を食べる山菜なのです。
行者ニンニクやニンニクの主たる成分はアリイン。
面白いことにアリインは、それ自体無臭なのですが
アリインを含んだ葉や球根を包丁で切って空気の触れると
よく似た名前のアリシンに変わり、あの独特の香りを発するのです。
さて皆さんはニンニクの香りは好きですか。
香りは好きだし、健康にいいのはわかっているけれど
人に会う時はちょっと食べられないと敬遠する人が多いのも事実です。
そこで15年以上も前、生徒たちと面白い実験をしたことがあります。
それは香りのしないニンニク。とはいっても球根を噛まずに飲み込むのではありません。
なんとタンパク質分解酵素でニンニクの細胞をバラバラにしてしまうのです。
バラバラになった細胞は潰さない限り匂いはしないはず。
そこでニンニクとナガイモの2つで挑戦してみたところ、
確かにバラバラになったようなものがビーカーの底に少したまりました。
香りも弱く成功かと思いましたが、分解したのはごく一部だけ。
とても実用化にはほど遠いものでした。
また食品加工技術にはバラバラにしたものを集めて再成形する技術があります。
不揃いのナガイモをバラバラにして蒲鉾状に再度成形しようという試みも
同じように量ができず、うまくいきませんでした。
大失敗でしたが、いつだって生徒の発想は常識を超えています。
知識と技術が伴わず失敗しましたが、なかなかユニークなチャレンジでした。
ところで現在休耕中の名久井農業高校。
この環境システム科の行者ニンニクはいつ収穫され、誰が食べるのでしょうか?
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フローラ図書館

2020年05月01日 | 研究
この1年ほど、よく開くのがこの本です。
なんとタイトルは「左官」。
職人の技術をわかりやすく説明している一冊です。
昨年、取り寄せて手に入れましたが
先日、用事で書店に行ったらなんとあるではありませんか。
こんなマニアックな本にも、店頭売りするだけのニーズがあるんだと驚いてしまいました。
さて全国にはあるテーマを一貫して何年も取り組んでいる高校の研究班がたくさんありますが
フローラ、バブルボーイズ、そしてハンターズとして活動してきた環境班のテーマは様々。
ころころ変わってはダメだとご注意を受けることもありますが、なにせ主役は高校生。
毎年変わる彼らの興味に合わせて自在に変化しながら研究を続けるのも一つの方法。
時代の変化にその都度対応しながら環境班は生き延びてきました。
よくネタはどのようにして見つけますかと聞かれることがあります。
今の世の中、インターネットと答えると思うでしょうが、環境班は意外にも本。
柔らかい内容の情報書から専門書までさまざまな植物関係の本を用意して、
その都度、彼らの思いつきやひらめきを掘り下げています。
この10年間で集まった本は間違いなく100冊以上。
環境班が解散したら学校図書館に寄贈したいぐらい充実しています。
デジタルではなくアナログ。でもこの左官の本が
皆さんの役に立つかどうかはちょっと自信がありません。
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