たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

東名事故誘発を考える <山口・下関でも進路妨害3件 東名事故前月に容疑者>などを読んで

2017-10-13 | 事故と安全対策 車・交通計画

171013 東名事故誘発を考える <山口・下関でも進路妨害3件 東名事故前月に容疑者>などを読んで

 

今日も、朝から成年後見、交通事故、遺産相続などの打合せ等で、いつの間にか業務終了時間になっています。6時に終わるのを日課としていますが、そんなことを言うと、私の依頼者の中にはサービス残業や長時間労働・休日もなしといった人もいますので、自慢できません。ただ、五木寛之著「玄冬の門」で言われているように、白秋・玄冬は気ままに生きることが大事かなと思ったりします。むしろそういった違法な残業をなくすように協力したいと思うのです。

 

帰る時間も過ぎているので、簡単にまとめたいと思いますが、本日の話題はここ数日取り上げられている悲惨な交通事故死です。

 

10日の記事では<東名夫婦死亡進路を塞いだ男逮捕 事故誘発の疑い>と一般の交通事故のような扱いで簡単な記事でした。11日の記事<交通事故 東名で6月、追突され夫婦死亡 進路塞ぎ誘発、容疑者逮捕>になると少し詳細になっています。

 

その記事によると<神奈川県大井町の東名高速道路で今年6月、ワゴン車が大型トラックに追突されて夫婦が死亡した事故があり、県警は10日、事故の直前に進路を塞いでワゴン車を停止させ、事故を引き起こしたなどとして、福岡県中間市の建設作業員、石橋和歩容疑者(25)を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と暴行容疑で逮捕した。いずれの容疑も認めている。>とのこと。

 

逮捕容疑からいえる事故状況については<逮捕容疑は6月5日午後9時35分ごろ、片側3車線の東名高速下り線で、運転していた乗用車でワゴン車の進路を塞ぎ、中央分離帯脇の追い越し車線に無理やり停止させ、後続の大型トラックに追突させたとしている。事故直前には車を降り、萩山さんの胸ぐらをつかむなど暴行を加えたとしている。>です。

 

追い越し車線で無理矢理停止させた理由については<現場から約1・4キロ手前の中井パーキングエリア出口付近で、車を止めたことを注意され腹を立てた石橋容疑者が、接近や追い抜きなどの進路妨害を繰り返したという。>

 

そしてこの事故の結果、<ワゴン車には、静岡市清水区の自動車整備業、萩山嘉久さん(当時45歳)一家4人が乗っており、萩山さんと妻友香さん(同39歳)の2人が死亡。高校1年の長女と小学6年の次女が軽傷を負った。石橋容疑者は軽傷、石橋容疑者の車に同乗の女性は重傷。>

 

この事故は6月に発生したのにもかかわらず、4ヶ月近くもかかって逮捕に至ったかは、一つには<東名事故誘発「あおられ停車」とうそ 容疑者、任意聴取に>と弁解していたことも要因の一つでしょう。

 

それより何より、夫婦が死亡したのは、後から走行してきたトラックが夫婦の車に追突したことから、直接の加害はトラック運転者となりますね。

 

そこで高速道路の追い越し車線で停車させる行為についてどのような責任があるかという捜査側としても難しい判断を迫られたと思います。TV報道では、当時走行していた車両のドライブレコーダーなど様々な情報を得て、被疑者の停車させるまでの危険きわまる運転を裏付け、さらに追い越し車線で停車させた場合に、後続車が衝突を避けることができない危険を惹起させ、夫婦の死亡についてトラック運転者の行為を介在させつつも、停止させたこととの間に因果関係を認め、その結果も予見できたとして過失責任を認定したのでしょう。

 

捜査側としては大変な労作と言えるでしょう。その一つは<東名事故誘発 山口・下関でも進路妨害3件 東名事故前月に容疑者>といった、この種の危険きわまる運転をする人の前歴を収集できたことも有効でしょう。

 

そこに現れている前歴からは、疑者の運転がいかに無軌道かよく示されています。では本件は単なる過失運転ですまされてよいのかとなると、報道では危険運転致傷罪(子どもは負傷)に問われるべきだといった意見が多数寄せられているとも言われています。

 

私も基本的にその意見に賛同します。未必の故意として殺人罪に問われるべきだといった意見もあり得るかもしれませんが、報道で現れている状況からはそこまでを被疑者に問うのは無理ではないかと思います。

 

他方で、気になっているのは被疑者の車に同乗していた女性です。被疑者とともにパーキングエリアから被害車両を追いかけ、その走行に危険な近接する運転を繰り返し、最後には富めさせた上、被疑者とともに車から降りて、被害車両まで行き、被疑者が車のドアを開けさせて夫を無理矢理下車させようとしたとき、そのそばにいたのです。

 

今のところ、この女性の言動についての情報は一切取り上げられていませんが、私は仮に被疑者に危険運転致死傷罪の疑いが認められるのであれば、この女性(重傷を負ったようですが)も共犯としての責任が問われる可能性が十分あると思うのです。

 

で、今日の本題は、別に危険運転致死傷罪とか、共犯者を取り上げるのが目的ではありません。このような乱暴きわまる運転をする人について、認知症の運転者以上に、運転免許の停止ないしは取り消しといった行政処分を厳格に行う必要を感じていることが一つ。もう一つは、逆に、この被疑者、注意されれば腹が立ちこういった怒りを示す行為をすることが当然のような発言をしていたかと思います。それを問題にしたいと思っているのです。

 

彼はきっと過去の体験から、そのような意識が作られてきたのでしょう。場合によっては虐待されたり、あるいと注意されることにきわめて脆弱というか敏感になっているのかもしれません。これはもう少し彼自身のことを知らないとなんともいえませんが、なんらかの異常が彼の中にあるのではないかと思うのです。

 

昨夜たまたま一部垣間見ただけですが、<NHK キラーストレス 第2回ストレスから脳を守れ~最新科学で迫る対処法~>で、扁桃腺が虐待などを受けると過敏になり、過剰に反応するといった、これはストレスの問題ですが、似たような状態に彼の場合陥っていないのか、医療的な対応も必要かもしれないと思っています。

 

こういった若者は彼一人だけでなく、いつの時代にも必ずいます。しかしそれを刑事罰などの制裁だけに頼るのでは、真の解決にはならないように思うのです。そういった意識や精神にならないような環境作りも大切でしょう。

 

中途半場になりましたが、ちょうど一時間経ちました。この辺で終わりとします。