たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

GPSとドローン <科学の森 日本版GPSで新サービス 誤差100分の1に・・>などを読みながら

2017-08-03 | 科学技術

170803 GPSとドローン <科学の森 日本版GPSで新サービス 誤差100分の1に・・>などを読みながら

 

今朝はとてもすがすがしい気分になりました。久しぶりに高野の山々が見事なほどくっきりと目の前に迫ってくるほど、鮮明でした。青空が広がり、さまざまな視線をさえぎる物質が消えていました?1000m前後の頂をもつ雪池山、摩尼山、弁天岳の稜線が前方にいくつも筋になって分かれている様が鮮烈なほどに見えるのです。再びNHK日本列島誕生よりもっと後に起こった、おそらく100万年、いや50万年くらいの間に紀伊山地で起こった数々の地殻変動がいまそこにあるのだと感じてしまうのです。そのあたりを解説している書籍を読み続けているのですが、なかなか理解力が追いつかず、ここに紹介することもできないでいます。

 

さて、今日もある不動産引渡の履行確認に関わる打合せを終え、いろいろ雑務をしているとすでに5時を回っています。

 

本日のお題としては、毎日朝刊の<科学の森日本版GPSで新サービス 誤差100分の1に/自動運転・ドローン応用へ>が実際はよくわからないものの、身近に感じましたので、取り上げることにしました。

 

実は先日、私も関係している大畑才蔵ネットワーク和歌山の会議があり、その際、Yさんから貴重なドローン撮影による報告がありました。才蔵が開削工事を計画・始動した小田井用水が現在も使われているわけですが、その現状をドローンで撮影し、プロジェクターで放映してもらい、みんなで鑑賞したのです。

 

ドローンは見事に空中を飛行して(実際は見ていませんが画像からそう推測)、小田井用水の流れをしっかりととらえていました。Yさんによると、操縦自体はさほど難しいものでなく、割合簡単に習熟できるようでした。今後は用水路の維持管理などにも使われるのでしょう。

 

私自身、小田井用水の実際の流路がどのようになっているかよくわかってなく、時折、和歌山へ行く途中などで、周辺に注意を払ったり、あるいはgoogle earthで用水路の流れを追跡していたのですが、あまりはっきりしなかったのです。それと現在流れている用水路の位置がどうも地形的に自然流下するにしては地形の高低差に逆行しているようにもみえることから疑問を感じていました。

 

灌漑事業の専門家でもあるYさんやKさんと少し話す機会があり、いろいろ腑に落ちることがありました。

 

まず小田井堰の設置位置ですね。これがなぜそこにしたか。というのは実際にこの用水による灌漑利益を受けるのは数十キロ下流の粉河や打田です。その間は実質的には導水路なのです。それで、まずなぜ小田にしたのかについては、この護岸は固い地盤とのことです。たしかにその上流の岸上という絶壁のような尾根の縁からつながっていて、強固といわれるとそうかなと思うのです。でも対岸には護岸がなくこの堰に上流からの水が当たって留まると(むろん灌漑用水路に多くは流入することになってはいるものの)、対岸に大きな水量が流れていきますね。YKさんいわく、いまある南海高野線の高い法敷近くまで氾濫原になっていたのではということで、おおよそ納得できました。

 

この導水路部分できになるのが、最初は河川の岸にそって流れていたのが、突然、現在の和歌山医大病院紀南分院の手前で直角に曲がり北方に流路を向けるのです。しかし、この岸付近はかなり地盤が低くなっていて、まいえば、高見に上っていくということになり、ポンプもない当時ではあり得ない流路です。この点は、Kさんが周辺は河岸段丘で岸からずっと高台になっていたのが、国道24号線のため切り土して低地になったとのことで、理解できました。

 

現在は紀北分院の下流域も、上流域も低い平坦地ですが、当時はそこまで高台だったことから、その高台を這うように、北側に流路を変え、その後も高台を進んでいき、その下の氾濫原に配水する訳ではなかったようです。

 

と長々と本題から離れてしまいましたが、GPSの精度が高まり、ドローンなどの利用がより多様で精巧となれば、その画像の利用度も高まること請け合いでしょうか。いや単なる画像撮影といった機能を超える多様な機能をドローンだけでも具備するようになるのでしょう。

 

で、このGPSの精度が現在、アメリカ版を借用しているため誤差10mというのですから、かなり粗いですね。この前高野山・女人道を歩いたとき、iPadを持参して自分の位置を核にしようとしたのですが、樹木に遮られたりして、さっぱりだめでした。それとスピードが遅いのです。私の機種もだいぶ前のものですから、そのせいもありますが。自動車のナビもときどき、いい加減な軌跡をとりますね。これもそういったことが要因でしょうか。

 

とはいえ、いまでも普通のアイホンやスマホで、配偶者の不倫を発見する手段としては結構使われていて、私も証拠資料として持参され、驚いたのは何年くらい前でしょうか。これで一発解決でしたが。とはいえ、その軌跡をみても正確さから言えば、まだまだの部分がありました。

 

それが日本版になると、誤差6cmですか、ここまでくると、自動運転が可能になるというのは現実性を帯びますね。私なんかだと、運転するとき6cmの誤差どころか、数10cmの誤差があるときも恥ずかしながらあるのですから、わたしよりずっと性格と言うことになりそうです。それに十分注意をしていると10cm以下の誤差ですみますが、うっかりして見過ごすという人間の弱みもあるのですから、自動運転の場合機械の不具合などがなければ、そういった凡ミスもないでしょう。

 

ところで、ドローンの利用ですが、Yさんのような素人でも利用できるんですね。首相官邸への落下(不時着?)事件などで問題となり、航空法が改正されましたが、国交省のウェブサイト<無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール>によれば、特定の地域で、特定の利用方法については許可制ですが、それに該当しなければ、従来通り自由利用ができるのですね。

 

航空法では、ドローンなどを無人航空機と呼称して規制しています(米軍の同じ名称のRQ-1 プレデターなどと比較するのも何なんですが)。そして制限地域は<(1)無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について>の中で、それぞれ該当する箇所をクリックすれば、わかるようになっています。

 

ま、当地のような農山村で、人がまばらにしかいないところだとOKですが、念のためにチェックはしておいた方がいいでしょうね。

 

次に飛行方法して認められているというか、他方ではやっては行けないことが下記の内容です。正確な条文など情報は<航空法の一部を改正する法律案について>でお願いします。

 

<[1] 日中(日出から日没まで)に飛行させること

[2] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること

[3] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること

[4] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと

[5] 爆発物など危険物を輸送しないこと

[6] 無人航空機から物を投下しないこと>

 

これらに反する場合は許可が必要となっています。ですから、空中散布で農薬投下などを行うことは、当然許可対象となりますね。

 

ドローンの利用はあちこちで情報が次々と発信されていますが、最近、私の手元に届いた「水と土」という農業土木技術研究会発行のものでも、「ドローンよ、どこへ行く!」と固い機関誌にしてはいい感じのタイトルで、ドローンを利用した機能診断調査へ試行研究をしている内容が報告されています。

 

ただ、ひび割れの画像を見る限り、 撮影距離が25mの位置から、幅0.3mmのひび割れの画像が写っていますが、判別はできますが、もう少し鮮明さが求められるのかなと思ってしまいました。それでも頭首工堰柱部といた場所だと、その場所を撮影距離数mまで近づくこと自体、大変な作業であり、危険だと思いますので、精度が高くなると、より有用になることは間違いないでしょうね。

 

そしてGPS画像とともに、その位置・時刻などの多様なデータが即座にクラウドなどに送信されて共有されれば、多様な分析・整理が可能となるわけですから、期待したいです。

 

さて横道をそれたりして、いつの間にか1時間半が経過していました。今日はこれでおしまい。


DNA型情報の取り扱い <超高精度、DNA型鑑定 作為や先入観の排除が課題>を読んで

2017-07-27 | 科学技術

170727 DNA型情報の取り扱い <超高精度、DNA型鑑定 作為や先入観の排除が課題>を読んで

 

日本各地で豪雨が頻繁に起こっていますね。当地でもついに雷豪雨警報がさきほどでました。それも私が出かけた直後でした。わずかな距離でした傘を持っていなかったので、ずぶ濡れとまではいかなくても、豪雨の一端に出会いました。

 

ともかく仕事がなかなかスムーズに進まないため、今日もその事務処理に追われて次の仕事ができないまま、もうすぐ5時になろうとしています。夕方から会議なので、簡単にでもブログを仕上げようと、テーマを考えていました。

 

仕事で経験はありませんが、<科学の森超高精度、DNA型鑑定 作為や先入観の排除が課題>は長い間自白中心の捜査のあり方が問題にされる一方、科学的、客観的な裏付けに基づく捜査が求められてきた中、まさにエース級存在として、最近脚光を浴びているようにも思えるこのDNA型鑑定について、その功罪を取り上げているので、簡潔に後30分程度で書き上げようかと思っています。

 

まず荒川涼子記者は、<捜査現場や刑事裁判で活用されているDNA型鑑定。最近では容疑者特定とは反対に、冤罪(えんざい)の救済に役立てようとの動きが広がる。ただ、鑑定の精度は高く「究極の証拠」と言われる一方、使い方次第ではもろ刃の剣にもなり得る。>とそのポイントを要約しています。

 

そして<DNA型鑑定はどのような仕組みなのか。>について、<人の体細胞には遺伝情報を含む染色体があり、デオキシリボ核酸(DNA)と呼ばれる物質で構成されている。DNAは二重らせんの形状で、DNAを構成する4種類の「塩基」約60億個が二つずつの対になって並んでいる。この並び順を比較して個人を識別する。DNAは容疑者が残したたばこの吸い殻や封筒の切手についた唾液のほか、皮膚片、毛根、血液などから採取できる。>というのです。

 

ここからが問題の一つが取り上げられます。<だが事件現場に残されるDNAの保存状態は必ずしも良くなく、鑑定できない場合もある。限られたDNA型を効率よく分析するために開発されたのが、ショート・タンデム・リピート(STR)型検査法という方法だ。塩基が200~400個になった断片的なDNAでも鑑定可能だ。

 少ないDNAを増やすポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法という方法も活用されている。DNA溶液を加熱すると、二重らせんが解けて1本ずつの鎖に分かれる。それを特殊な酵素と反応させ、分かれた1本鎖を基に、対になる鎖の部分を繰り返し複製し、数十万倍に増幅できるとされる。>

 

以前であれば、わずかなDNAの残存だと鑑定できなかったのが、最近の技術開発で上記の通り鑑定が容易になり、最近では、<足利事件(90年)や、東京電力女性社員殺害事件(97年)>、<1966年、一家4人が殺害された袴田事件>も再鑑定により従来の鑑定結果が覆っています。

 

しかし、DNA型鑑定が万能かといえば、それは一定の限界があると言うべきでしょう。

記事では<しかし、鑑定結果が決定的な証拠となりやすいため、都合に合わせて捜査や裁判に利用したりしなかったり、人間の作為が入り込むことが課題となっている。>と作為的な操作を問題にしています。

 

 その結果えん罪事件が発生しています。<鹿児島地裁で問われた12年の強姦(ごうかん)事件では、鹿児島県警はDNAを採取したが、微量で正確に鑑定できないとした。1審で男性が別の証拠から実刑判決を受けたが、控訴審段階で行った鑑定でDNA型が別人のものと判明した。県警が残りのDNA溶液や鑑定メモを捨てていたことも分かり、男性を有罪にするために意図的に鑑定結果を隠したとの疑いが浮上。男性は16年に逆転無罪判決を受けた。>

 

それだけではありません。<東邦大の黒崎久仁彦教授(法医学)は「一般に鑑定を過信するのは禁物だ」とも指摘する。試料に異物が混じったり、手法を間違ったりすれば誤った結果が出る可能性もある。>人間が結局、実施するわけで、その方法が検証可能で、科学的に合理性を担保しているか常に問われるでしょう。

 

そして結果について評価するというのが鑑定ですが、まさに人の判断に関わることで、そこに問題が生じうるわけですね。<正しい手法で結果を導いても、型が容疑者と一致するかしないか人間が評価するため、先入観などで判断を誤る余地もある。救済センター副代表で、甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は「鑑定結果は客観的で公正、完璧だとは限らない。手法は適切か、結果は正しく評価されているかを検証する中立的な組織が必要だ」と訴える。>というのは当然でしょう。

 

で、ここまでが前置きです。

 

実はこの記事を見たとき、先月の「日弁連委員会ニュース」の中にあった記事を思い出したのです。タイトルは「DNA採取は拒否できる?」というものです。人権擁護委員会第二部会特別委嘱委員の小関員氏が投稿したものです。

 

上記記事では、捜査側が犯行現場に残されたDNA資料の取り扱いを問題にしていますが、実はそれ以外の場面で、いま急速にDNA型資料の収集が「任意」という形で捜査側によって行われ、ビッグデータの一つになりつつあるようです。

 

小島氏によると、<警察庁は、2005826日から、事件現場の遺留物や容疑者本人から得たDNA型情報を各都道府県警が警察庁に送り、警察庁でデータの整理や保管を一括 して行うというデータベースシステムの運用を開始しています。>とのことです。この制度は、「DNA型記録 取扱規則(国家公安委員会規則)」など法令に基づかない運用で行われているとのこと。

 

ところで、DNA型情報については、小島氏によると<最新のDNA研究では、 これまで遺伝情報とは関係がないとされていた部分にも病気などの遺伝情報が含まれていることが明 かとなっており、データベース に登録される DNA型情報が単なる数字の羅列であり、遺伝情報とは関係がないといえるのか、という疑問が提起されています。したがって、遺伝情報とは関係がない部分としてデータベースに登録された DNA型情報にも遺伝情報が含まれている可能性が否定できないのです。また、 DNA型情報には親子や兄弟姉妹、血縁についての情報も含まれているのであり、指紋と同等の個人情報であるとの評価は当たらず、より慎重な取扱いがなされるべきです。>

 

まいえば、一般の個人情報と言われているものと比べ、DNA型情報は個人その人以外の情報やその人自身も知らない病気などの情報も含まれていて、個人の判断で任意の求めに応じて提供できる性格ではないともいえるわけです。基本的には令状主義に則り、身体検査令状等によって法的手続きにより採取すべきと言うのです。

 

興味ある議論です。いずれにしても、捜査側も安易に提供を求めて同意をとって採取するという方法については、慎重に行われるべき事は確かでしょう。

 

ちょうど30分となりました。今日はこれでおしまいです。