たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

地球大変動の受け止め方 <NHK 列島誕生 「奇跡の島は山国となった」>を見ながら

2017-07-31 | 災害と事前・事後

170731 地球大変動の受け止め方 <NHK 列島誕生 「奇跡の島は山国となった」>を見ながら

 

今日は夕方前から会議が続くため、その後にブログを書く余裕がないと思います。というわけで、後一時間しかありませんが、本日のお題を決め、昨夜見たNHK番組を感想を交えながら、いろいろな思いと交錯させて、少し書いてみようかと思います。

 

昨夜は<NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 第2集「奇跡の島は山国となった」>が放送されました。先週が<第1集「奇跡の島はこうして生まれた」>で、その完結編でしょうか。

 

基本的なストーリーは、プレートテクトニクス論を基礎に、日本列島の形成を4つの段階に構成して、うまく映像表現していたと思います。

 

まず第1フェーズは、大陸プレートの端が太平洋?プレートの衝突で、大亀裂が生じ、大陸から離れていく、誕生初期です。私も書籍で、この離れていく過程が観音開き説とか諸説合ってまだ統一的な意見はないというのを知ったばかりでした。ただ、日本列島がそのまま東に大陸から晴れていったのではなく、亀裂した箇所が概要2つあり、それぞれがある基軸から大きく回転して、開いていったといのは興味深く感じつつも、そのエネルギーの源はよくわかりませんでした。たしかNHKではそういったところまで放映されていなかったように思います。

 

次の段階は、まさにフィリピンプレートが南洋から北上し、伊豆七島など連綿する火山帯が西日本の塊の東端と形成されつつあった東日本の島嶼の西橋のちょうど真ん中に押し込まれて伊豆半島ができあがったことを示していました。

 

今回の第3段階では、それまで成立した列島は平原・湿地といった平らな形状でしたが、日本の地形の特徴であるが山岳地帯を形成した仕組みを示すものでした。場所はなんと紀伊半島が舞台。これまたフィリピンプレートが沈降し、マグマだまりに衝突し、大規模な連綿とする火山爆発が起こり、火山灰を世界中にまき散らし、世界の温度を10度も下げたというのですね。その結果巨大カルデラ地形ができあがったといのです。その後1000年いじょうかけて地下のマグマだまりにたまったのが固形化し花崗岩(その大きさは神奈川県程度)となり、沈下圧力でその花崗岩自体が隆起した結果、紀伊山脈が生まれたというのです。その他の山岳も同様の経過をたどったようです。

 

これで紀伊山脈の広大な山地形状ができあがった大筋がわかった!?ような気がしつつ、まだようやくひかりがおぼろげに見えた状態でしょうか。その理由は後で述べます。

 

最後の第4段階、まだ東日本のほとんどは島嶼のように散在していましたし、山地も存在していませんでした。千葉県が最後に登場するのですが、それはやはりフィリピンプレートが北上していたのを太平洋プレートによって北西方向に押されて傾き、その分、海底にあった千葉をはじめとする東日本が海底から陸地に押し上げられたというものです。

 

ここまでが1000万年前くらい?でしょうか(ちょっと聞き落としてしまいました)。これだけでも大変な変動ですね。しかし、それからも沈下・隆起・圧縮など地球変動は繰り返されているわけで、ここ100万年の間でも大変なものですね。

 

ギリシアの哲学者がたしか止まっているが動いている、動いているが止まっているとか、そんな風な哲学的な言辞を残しているというのを半世紀ほど前にならったような気がします。

 

地球は常に動き続けていますね。私たちの知覚では静止しているように見えるのですが。日常生活のレベルで言うと、火山、地震や津波、地滑りといった自然災害でも起こらないと、地球の動きはあまり意識にのぼりませんね。でもNHKが取り上げた列島誕生自体、フィリピンプレートを中心にプレート衝突を経て起こっていることを繰り返し指摘しています。そのプレート活動は、また地下のマントルの動きは止まっていないですね。

 

私たちの知見は、せいぜい2000年か最大1万年程度ではないでしょうか。そのレベルで、科学技術の将来の発展や、そのことによる自然への制御能力を推し量ってみても、はなはだ危ういものではないでしょうか。

 

ちょっと当地の問題に目を向けますと、中央構造線が間近に走っています。ではこの構造線はどのようにして生まれ、現在のような地形が形成されたのか、先のNHKのストーリーの射程外ですが、これも定まっていないように思うのです。中央構造線ができる前は、NHKで成立したはずの西日本は海底に沈んでいたのでしょうか。そして最初に構造線の北側が隆起し、その後に南側隆起する、そして横ずれが起こったと言うことでしょうか。こういった事象を整合性のある理論で解明できるのかは、期待したいと思いますが、それにしてもNHKが説明したのはほんのさわりですね。

 

地球変動の複雑怪奇さはまだまだ探索しがいがあるのでしょう。他方で、今朝のNHKニュースで報じられていましたが、たしかグリーンランドの永久凍土の厚さが最大で3kmあり、とても強固ということです。ところが、その固く熱い氷塊が急激に溶け始めていることがわかったと言うことです。ほとんど真っ白の中に、藻がはえ黒くなると太陽光を吸収し、

どんどん溶ける勢いが早まっているとのこと。

 

映画The Day After Tomorrow は、気象変動が逆に急激な異常低温に向かい、北半球が氷に閉ざされる恐ろしいストーリですが、(この内容はいつか触れたいと思います)地球は生き物です。私たち現代人は、地球という生命体に不可逆的な変更をもたらす活動を続けているという、懸念は多くの人に享有されていると思いつつ、実際の活動では必ずしも意識下されていないように思うのです。

 

私自身も自戒の念を抱きながら、このNHKストーリーを見ました。

 

そろそろ一時間経過しました。会議に出かけるため、この辺で終わりとします。