たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

流木の由来(2) <九州豪雨の写真集>などを見て考えてみる

2017-07-08 | 災害と事前・事後

170708 流木の由来(2) <九州豪雨の写真集>などを見て考えてみる

 

今朝も当地は長閑な一日の始まりでした。まだ早暁前に、昨日と同じヒヨドリの幼鳥が鳴いているのです。それで目覚めたようです。昨夜は七夕の夜にちょうどよい?ほぼ望月の輝きが一杯でした。ただし寝るには眩しいぐらいで少し閉口しましたが、ま、たまにはいいでしょうか。でも満月は暦では明日ですか。昨日は空が晴れていた分、輝き方がさえていたのかもしれませんが、今日は曇天のようですので、どうでしょう。

 

さて、今日もいつものように花の苗を買ったり、いろいろ作業をしていたら、もう6時です。今日のテーマはまだ考えつきませんが、とりあえず、昨日、流木の由来について、ちょっとみた流木の形状・外観から、切り捨てされ山に放置されたものが多いように感じたことから、ぞの前提でその角度から問題点を少し追求しました。

 

しかし、かえってTVニュースを見たり、いまウェブ情報の写真を見ていると、どうも流木には根っこが残ったままのものが多く放映の画像にあったように思います。この写真ではその点はよくわかりませんが、他方で斜面崩壊が随所で起こっていることがわかります。そうすると、当然立木の状態で土石流のように押し出されることになり、下流に流されることにもなりますね。

 

その意味では、流木の主たる要因は斜面崩壊で立木が押し流されたといってもいいかもしれません。ただ、これら映像や写真は、まさに断片的なもので、現在はもっぱら被害者の救出、救助が先決ですので、今後全体像を専門家チームでしっかりと調査してもらいたいと思います。

 

とはいえ、まだ流木にひっかかっています。切り捨て間伐で山の中に残置されている木は、それが大雨で押し出されるおそれがあるだけでなく、その木があることによって山地に余分の負荷がかかりますし、保水性も落ちると思います。斜面崩壊の一因になる可能性もあるでしょう。

 

とはいえ、斜面崩壊の要因としては、こういった切り捨て間伐で放置されている木の問題はさほど大きいとは考えにくいのではと思います。立木があることによる重量が問題だと思っています。枝打ちがされたり、間伐が適切にされていると、残った木は幹は太く、枝も張り、地面に根を張るというのが当てはまるように思うのです。ところが枝打ちをしていないと、枝がどんどん太くなり、木の重量も大変なものになるでしょう。枝打ちをしていないようなところだと、間伐も適切にされていないので、密集はしていますが、しっかり育っておらず、隣り合う木が邪魔して大きく育たず、上には伸びても、また幹の太さはある程度合っても暖かいので成長するものの年輪の幅がある、あまりしっかりした木に育っていないことが少なくないのです。

 

むろん根はさほど張りませんし、土壌も薄っぺらでしょう。保水力もわずかかもしれません。屋久杉なんかを見ていると(もう四半世紀前ですからいい加減な記憶ですが)、根の張り方が違う印象をもちました。

 

さて、<斜面崩壊・地すべり>をちょっと参考にさせてもらいますと、<斜面崩壊とは,斜面表層の土砂や岩石が地中のある面を境にして滑り落ちる現象です.>

 

で、斜面崩壊の要因について、<土塊を斜面傾斜の方向へ動かそうとする力は,その土塊の重量が大きいほど,また,斜面傾斜が急なほど,大きくなります.雨水が地中に浸透するとその水の重さ分だけ土塊の重量が増して,崩壊を起こそうとする力は大きくなります.大雨による崩壊の場合,斜面の傾斜角が25度よりも小さいとほとんど崩れません.>といった指摘がされています。むろんこのメカニズムについては、この情報の中にもより詳しく記述がありますし、研究論文などはより科学的な分析が行われていますので、さらに詳しく知りたい方はそういった文献を見ていただき、私の粗雑な考えは横に置いてもらってよいかと思います。

 

ところで、斜面崩壊の要因については、自然的な条件(今回の異常豪雨はまさにそれですね)に加えて人為的な条件を考える必要がありますが、このウェブ情報では、

 

<人為的な条件では,道路建設などにより斜面下部が切り取られているところ,斜面の上方で大規模な地形改変が行なわれたところ,斜面内に道路建設などの人為作用が加わっているところ,樹木が伐採されそのまま放置されている斜面,などです.全くの山奥は別と して,斜面崩壊の発生には人為的な要因が多かれ少なかれ関係しています>と指摘されています。

 

私が指摘した切り捨て間伐の樹木についても取り上げていますね。しかし、今回私が指摘した枝打ち・間伐をしていない樹木の問題は取り上げていません。この情報は、林業自体の影響について特に検討することを主題としていないためと、基礎的な知識の提供と言うことから、オミットしたのではないかと思っています。

 

たしかに、今回の被害拡大は、むろん異常な桁違いの集中豪雨が主たる要因であることは確かですが、二次的に被害拡大をもたらし要因の一つに、流木があったと思うのです。

 

一般に、林業分野でも治山事業が行われて、以前ほどではないですが公的財源が相当額投じられてきました。ただ、その治山事業の内容は、林野庁の<治山事業の事業体系>を見ても、具体的なイメージをつかむのは容易ではないですが、たとえば岡山県の<平成 29 年度治山事業の事業区分と内容>という一覧を見ると、その右端の欄に工事種類が記載されているとおり、まさにダム(堰)や土留め工といった一種の土木工事です。

 

むろんこういった治山工事を行うこと自体は、必要性が高いと思います。ただ、国家政策で始めた拡大造林制度で全国各地の山がスギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹にした後のアフタケアが適切になされないでいるため、これらの木が伐期を迎えながら、上記述べたような斜面崩壊に脆弱な状態にあると思います。

 

そういった危険性を除去することも、また広い意味での治山機能を強化する、あるいは脆弱さを緩和することになると思うのです。現在の治山事業としての土木事業には問題も少なくないと思っています。それだけに重点を置くのではなく、枝打ち・間伐・そして搬出といった作業について、治山的機能を評価して、より国家予算を投じることに意味があると思うのですが、どうでしょうか。

 

今回の被害拡大が流木による部分を経済的評価した場合、流木の流出を防ぐ事業に費用を投じることで、その分被害減少することができるといった、かなり難しい判断ではありますが、そんなことが考えられないか、少し頭を痛めています。

 

昨日の付録です。またいつか続きを書いてみたいと思います。

もう一つの話題を取り上げようかと思いましたが、今日も結構忙しく過ごしてしまい、ちょっともう一つ書き上げる元気がなくなりました。今日はこれでおしまいです。