たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

流木の危険と由来 <九州豪雨 被害拡大、死亡7人に・・>などを見聞きして

2017-07-07 | 災害と事前・事後

170707 流木の危険と由来 <九州豪雨 被害拡大、死亡7人に・・>などを見聞きして

 

今朝も日の出前に目覚め、とはいえ読書するほどの元気もなく、音楽を聴きながらうつらうつらして、5時半頃にようやく起き出しました。九州の豪雨被害はどうなっただろうと思いつつ、当地は穏やかな朝を迎えています。

 

横になっていてずっと鳴いている声がヒヨドリらしいのですが、どうも普段と違う、でもほんと目の前にいるような感じで長く鳴いているのです。それで窓の外を見ると、庭のフェンスの上にとまって、幼鳥がしきりに鳴いているのです。そこから少し離れたところに成鳥の親鳥らしいのが心配そうに見つめながら、下の方に滑空したりして、忙しく動いています。餌をねだっているのか、よくわからないうちに、2羽ともどこかに行ってしまいました。

 

どんよりした曇り空ですが、風もほとんどなく、お湿り程度の雨もなく、ほんとにのどかな朝です。北九州の人たちは、生きた心地しない状況だったと思いますし、避難所にようやくたどり着いても不安でしょうね。といって、原発被災者や東日本大震災の被災者の人に比べれば楽というのもなんですが、そういう心持ちも大事かなと思うのは不謹慎でしょうか。私は厳しい状況になったとき、いつも思うのはもっと苦しんでいる人がいるというのが、支えになることが少なくないのです。そういう私のいる場所、いやどこでも災害は起こっておかしくないのですから、常に心しておく必要を改めて感じます。

 

今日のブログの話題を何にしようかと考え出したのが、もう6時半をとっくにまわっていました。2つの打合せと、法務局での登記官との協議、それにこれらの記録整理をしていたら、いつの間にか時間が過ぎているのです。長く仕事を休んでいたせいもあるのかもしれませんが、タイピングも少しずつスピードアップしているのですが、昔の感覚にはほど遠い感じです。ま、頭も老化現象があらわれているのでしょうかね。

 

そんな余分なことばかり書いていると、ご老人の特徴と言われそうです。本題に移ります。

 

毎日朝刊では<九州豪雨被害拡大、死亡7人に 北九州市5万人避難指示>といったような記事が掲載されています。これを取り上げたのは内容と言うより写真です。<多くの流木で家屋などが被害を受けた>様子を撮影しているのです。

 

そしてTVのニュースでも、流木が、それも長大の流木が膨大な量でうずたかく堆積している様子が映っています。で、たしか気象専門家の話だったと思いますが、これだけ長い流木の丸太が大量に流されるというのは、それだけ洪水量が桁違いだったからだといった趣旨の発言だったと思います。

 

それはこういった流木が大量の水で川に流されると、橋をふさぎ、途端に人工のダムができあがるわけですから、小さな河川だといっぺんに堤防を越えて周辺に大量の水が流れ込むことになるでしょう。また、橋の構造が簡易であれば破壊されてしまうでしょう。護岸も巨大流木が流圧を受けて衝突すれば、ひとたまりもないかもしれません。

 

流木はきわめて危険な破壊物質になり得るわけです。むろんそれには大量の降水量が流木に破壊力を与えているといっていいと思うのです。

 

ところで、なぜ流木がそんなに多いのか、不思議に思いませんでしたか。朝倉市が被害に遭っていると言うことだけだと、ぴんとこなかったのです。朝倉市といえば三連水車など、筑後川近くの平坦な平野のイメージでした(不正確ですが)。その後のニュースを見ていると日田市が被害を受けていることがわかりました。筑後川の上流部支流に位置するのが日田市で、林業の盛んなまちとして有名ですね。日田林業の歴史を見ると、民有林が95%を占めており、民有林比率の多い西日本でも傑出している印象です。

 

それはともかく林業が盛んなことと、流木が多いことは関係するかですね。いや、そもそも氾濫の原因となったり、家屋やインフラ破壊の原因となっている流木はいったいどこからどのようにして流れてきたのでしょうか。これはいま災害救助が一番なので、今後の調査にまたないといけないと思いますが、それが気になっています。

 

なかには山体崩壊といった状況で、スギ林でしょうから、斜面地と一体になって川に押し流された木も大量に見られるニュース放映もありましたから、立木が流木になったのもあるでしょう。これらは根ごと流されていますので、流木の形状を見ればすぐわかります。

 

しかし、いままで見た写真やTVニュースでは、それほど目立つものではありませんでした。むしろ造材というか、一旦伐採した後、一定の長さでカットされたものが大半のように見えました。ただ、気象専門家が指摘したように、長い丸太が結構多くあったように思えます。気象専門家は流されるほどの水量に注目していましたが、私はその長さにむしろ注意がいきました。

 

おそらく10m以上はある長さです。こういった長さで市場向けに造材(切断)することは普通ないわけです。だいたいは、34mくらいが多いと思います。むろん最近は加工用に超尺を必要とする方式もあるでしょうが、日田がそういった生産地かはいまよくわかっていません。

 

流木がほとんど枝葉もなく、皮もむけています。皮は氾濫流に流される中で削られる可能性が高いと思いますが、枝葉がないというか、きれいに切られている状態からすると、そこには人の手が入っているとみたほうがいいのかと思います。

 

すると、長尺の丸太として流木になっているのは、伐採現場の土場で置いておいたものとか、市場で競りにかけるために積載されていたものとか、ではないと、今のところ見ています。

 

ではどこにあったのか。それは山に切り捨て間伐で放置された大量のスギ・ヒノキである可能性をいま疑っています。民主党政権時代に始まった林業再生プランで搬出間伐(補助)事業が増大していますが、それまでは市況が悪化する中で、市場までもっていくと採算が合わないため、間伐のために伐採するけど、その山の中に捨てておくものです。これが全国各地に大量に残っていますし、現在も行われています。

 

それが治山の観点からは、とてもリスクが高いと思っていました。むろん切り捨て間伐でも簡単に木が下に転げないように、伐採後の置き方を工夫していますが、粗雑に扱うところ、人もいて、必ずしも適切になされてばかりいません。むろんこの流木の由来がこういった切り捨て間伐の木が主体だとは断定できませんし、これからの調査(すると思うのですが)に期待したいところです。

 

そろそろ一時間です。ま、今日は注意喚起の一つとして取り上げました。これでおしまいです。