環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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4ヶ月足らずで、趣を大きく変えた10月1日の菅首相の「所信表明演説」

2010-10-03 22:04:49 | 政治/行政/地方分権
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昨日の朝日新聞の一面トップは「前特捜部長ら逮捕 FD改ざん 隠蔽容疑 組織ぐるみ不正浮上」という見出しを掲げた信じられない内容の記事でした。「最強の捜査機関」とも呼ばれてきた特捜検察が、トップ以下の組織ぐるみで不正を隠蔽しようとした疑いが浮上、しかも、特捜部長が在任中に手がけた事件に関連して逮捕されるという前代未聞の不祥事に、検事総長の辞任や特捜部の解体も含めて議論になるのは必至だ、と報じています。

そのあおりで、一昨日(10月1日)に開会された第176回国会(臨時国会)関連の記事が1面ではなく、4面から始まっています。今日のブログはこの臨時国会の冒頭に行われた菅首相の「所信表明演説」にかかわるものです。

菅改造内閣は10月1日に開会された会期64日(10月1日から12月3日まで)の臨時国会(衆議院HP)に臨みました。初日に行われた菅首相の所信表明演説は、去る6月12日に行った菅首相の所信表明演説とかなり、趣(トーン)を異にしています。わずか4ヶ月足らずの間になぜ、このような変化がおきたのでしょうか。7月11日に投開票された第22回参院選で民主党が大敗し、与党過半数割れをおこしたことにより野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」が再現したこと、国民の政権与党に対する期待が大きかったので、失望も大きかったこと、任期満了に伴う民主党の代表選挙が行われた9月14日の民主党臨時党大会で菅首相が小沢一郎さんを大差で破り、代表に再選されたことなどが反映していると考えられます。

まず、今回の菅首相の所信表明演説をご覧ください。続いて、6月12日の所信表明演説をご覧ください。

●2010年10月2日の朝日新聞
 菅首相の所信表明演説(全文)

●2010年6月12日の朝日新聞
 菅首相の所信表明演説(全文)


菅首相の2つの所信表明演説の相違について朝日新聞に解説記事が載っています。


詳細はこちら



詳細はこちら


論説委員による解説記事
菅首相の出直し所信表明に思う
消えた看板「最小不幸社会」 「遠望するまなざし いまこそ」


朝日新聞社説 首相の所信 「菅外交」の姿が見えない



6月12日のブログで、私は待望の菅首相の「所信表明演説」、首相が追求する「第3の道」はスウェーデン型?と書き、菅首相に大いに期待しました。

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朝日新聞の社説:スウェーデン 立ちすくまないヒントに、を読んで(2010-08-01)



今回の所信表明演説の「1.はじめに」で、菅首相は次のように述べています。


このように見てくると、菅首相が掲げた「5つの解決すべき重要な政策課題」というのはいずれも自民党の長期政権下で20世紀から引きずってきた問題であり日本が21世紀の新たな問題にほとんど対応出来ない状況にあることがはっきりしてきます。内容的には、まさに日本が、混迷状態にあることを直視した画期的な所信表明であったと思います。

一方、スウェーデンはこれらの問題をすでに解決しており、21世紀の新たな問題への包括的な解決に向けて努力していることがわかります。その具体例が20世紀の「福祉国家」から21世紀の「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)への転換政策です。日本の自民党を上回る社民党の44年にわたる長期単独政権の成果の上に現在の連立4党による中道右派政権があります。

今日のブログの冒頭に、3つの図があります。これら3つの図の中央にある図が、そのことを表しています。その具体的な成果を、私のこれまでのブログから拾ってみます。  

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