外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

学生野球憲章の見直し

2009-08-31 19:42:12 | 大学野球
衆議院選挙の報道合戦に掻き消されてしまった感がありますが、日本学生野球連盟が学生野球憲章の見直しを進めているという報道がありました。

毎日新聞の記事

このうち、指導や試合などに関してプロ・アマの垣根を低することは、以前から広く議論のあったところですし、多くの野球ファンから関心の集まるところです。

もっとも大学野球では、従来から自校の卒業生であればプロ関係者でも指導をすることが認められていましたし、時折、交流戦も行なわれてきました。

ただ、練習試合については、日程調整の難しさ、あるいは出場選手への妙な口出し防止さえ解決できるのであれば、問題はないような気がする一方、プロのスカウト活動は世間常識が通用しないドロドロの世界と聞いていますから、「大丈夫かな…??」というのが率直な第一印象。

技術指導についても、そんなに簡単ではないような気がします。

優秀な技量のプロ選手だからといって技術指導を任せて良いかというと、これがなかなか難しいのです。

フラリとやってきたOBのプロ投手から変化球に関する技術的アドバイスを受けて、直後に故障してしてしまった投手のケースも、実際に過去にありましたし、技術指導以外の事項(例えば、スカウティング活動に準ずる行為、飲食など)をどのように規制するのか。

アマ選手と接する際に学生野球憲章で許されること、許されないことを、きちんと研修して周知徹底して、ルール違反者ならびに違反者の所属チームは厳罰に処するルールづくり、そして、そのことを理解した者を認定する制度をプロ側の責任で設けること、

加えて、指導を受ける選手ごとの性格、体力、体調、練習スケジュールなどを、アマ側の指導陣と十分に打ち合わせした上で、時間をかけて技術指導にあたること等が、実施に向けた最低限の条件となるでしょう。

その準備や覚悟がなく、急にグラウンドに来て先輩風を吹かしながら場当たり的・思い付きレベルの指導をされたり、特定の球団への勧誘を行なわれては、現場の監督や選手たちにとって、ありがた迷惑以外の何物でもありません。


ちなみに早稲田のラグビー部では、技術指導を行なうことが許されるOBを毎年指名するそうです。

指名されたOBは、監督たちが策定した年間の指導計画を十分理解した上で、特定のポジションに限って指導することが許される決まりとなっていると。

これは、大きな試合の直前に急にやってきたOBたちが、あれやこれやと勝手な指導を行なうことが過去にあって、その弊害を排除するために決められたという経緯があるだそうです。


プロ関係者の中には、「アマ野球の監督は、つまるところプロに行けなかった奴。野球については俺の方が上だ」と、大きな勘違いをしている人もいるようですし。

また、西武球団の裏金事件という苦い経験もあります。

もっとも、こんなことを考える一方で、多くの卒業生たちがやってくる東伏見になってもらいたい気持ちも根強くあるのですから、本当にやっかいな問題です。

話は替わりますが、新しい横浜市長に、林文子さんが選ばれました。
私の母校・都立青山高校の先輩である林さんが、存分に手腕を発揮されんことを、心からお祈りいたします。

Comments (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高校生練習会( その2) | TOP | 帝京大学に勝利 »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
プロアマ交流 (ロッキー)
2009-08-31 22:11:14
私はプロアマ交流の規制など,なんともばかばかしいものだと単純に思っておりました。しかし具体的に突き詰めていくと,なかなか微妙な問題があるのですね。確かにプロOBが軽い気持ちで選手のフォームをいじくったりされてしまうと困りますね。
しかし,全体の流れとしては,プロ・アマの垣根を取り払うことに私は賛成です。裏金問題は,それはそれとして取り締まるほうがよいのではないかと思います。自由競争を前提とすると,弊害はあるのでしょうけど,問題のあるケースを個別に取り締まっていくほうがベターなのではないかと私は思います。
しかし,難しい問題ですね。
返信する
プロ・アマの垣根 (ay1881)
2009-09-01 06:30:14
ロッキーさん、こんにちは。

私も全く同意見だったのです。
しかし、かつて東伏見の昼休みに野村監督や応武コーチ(当時)と雑談している時にプロ・アマの垣根が話題となり、アマ側の事情を聞かせていただいているうちに、ちょっと考え方が変わりました。

西武裏金事件を思い出していただければ分かると思いますが、もし何か問題が生じた時に、アマのチームや選手への制裁、選手ら個人の人生へのダメージが極めて深刻なものになります。
清水くんは、すっかり野球人生を狂わされてしまいましたし、早稲田の野球部も、やっと推薦枠が今年から復元されたものの、この二年間の補強不足が完全に解消されるには、今の一年生の卒業を待たねばなりません。

かたや、もう一方の当事者である西武は、現在どんなダメージを受けているというのでしょうか。

あまりに差がありすぎます。

今回の垣根見直し論がどこから出された話なのか、新聞記事からは読み取れませんが、もしプロ側からの要望に基づくものだとしたら、よほど慎重に検討を加えなければならないというのが私の意見です。 

夢のない話ですが、プロ球界にうごめく一部のゴロツキのような人たちから、愛する野球部と選手を守るためには、現行の野球憲章が定める垣根は、なおも必要であるような気がします。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。