大東和美さん

かつて早稲田のラグビー部主将として大学選手権で優勝、そして社会人も破ってラグビー日本一となった大東和美さん。
早稲田のラグビー部監督としても大学選手権で優勝したこともあります。

その大東さんが、サッカーJリーグのチェアマンに就任すると正式に決定しました。

このニュースを耳にして、三つの思いが頭の中に浮かびました。

まず、大東さんは必ず職責を全うされるだろうという確信です。
ラグビー部監督時代の大東さんは、それは聡明かつ男らしい方でした。
世界を相手に戦う日本サッカー界においても、必ず力を発揮されるはずです。

二つ目は、サッカー競技歴に拘らずに大東さんを抜擢した、Jリーグの風土です。
日本リーグ時代にドン底を味わった日本サッカー界は、今や世界を相手に戦う力を備えつつあります。
グローバルな視点でサッカーを強くするために、外人をジャパンの監督に据えることも厭わない、そしてラグビー出身者を力量本位でチェアマンに選ぶ。
サッカー界は選手も組織も、完全に一皮剥けたと感じます。

重層的に様々な連盟の利害が絡み合い、誰も競技全体を動かすことができない野球界、
あるいは、力士出身者に限った役員による統治に拘った結果、完全に運営に行き詰まった大相撲

競技団体の在り方を考えた場合、Jリーグとは月とスッポンほどの違いを感じないわけにはいきません。

三つ目は、ラグビー協会への不安です。
早明戦など、一部のドル箱カードに長年依存してきた日本ラグビー界は、近年は青息吐息。
ワールドカップ開催を前に宿澤さんを失った今、大東さんのような有能な人材をサッカー界に奪われてしまい、ラグビー界は大丈夫なのでしょうか。

大東さんという人材を生かしきれなかったラグビー協会は、自らの組織の在り方を改めて点検すべきだと感じました。