8月25日(日)の23:24~30
BS日テレの番組に、野球部の横山投手が登場します!
番組予告
朝日新聞の朝刊で、部活動における頭や首への重大な負傷に関する調査結果の記事がありました。
朝日新聞の記事
記事によれば、競技種目別の発生頻度の高さは、ラグビー>柔道>体操>サッカー>野球 という順位となっています。
この調査結果は、多くの方々が「まあ、そんな感じだろうな」という内容でしょう。
競技スポーツにおける負傷を「損害賠償」という視点で考えてみます。
競技スポーツにおける事故で負傷した場合、ただちに誰かに損害賠償責任が発生するというわけではありません。
まず、競技スポーツをやろうと決心した時に、競技種目に固有の危険を納得して引き受けた(「危険の引き受け」)うえで、競技参加を決めたものとされます。
すなわち、基本的に負傷リスクを覚悟のうえでラグビーや柔道をやろうと決心したはずだと、法は考えるわけです。
なお、この考え方は観戦者にも適用されることがあります。例えば、野球観戦中にファールボールに当たって負傷しても、観戦者はそのようなリスクを基本的に引き受けして野球場に足を運んでいると考えられるため、競技者や球場に損害賠償を求めることはできません。
次に、実際に競技中に事故が発生した時においても、その原因が当該競技における正当な行為(「正当行為」)と考えられる限り、対戦相手に責任が生じることはありません。
すなわち、競技における各プレーそのものにリスクが存在するのであって、ルールどおりにプレーが行われている限り、競技相手に責任は生じないと、法は考えるわけです。
したがって、スポーツ事故において損害賠償責任が問われるのは、例えば次のようなケースです。
1)競技者の技量を越えた内容の練習を必要な補助なしに行なった、あるいは技量が大幅に異なる対戦相手との組合せで試合を行なって事故が発生した場合の指導者や大会運営者
2)競技者の疲労や健康状態の見極めを誤って事故が発生した場合の指導者等
3)上記のようなリスク回避に必要な指導者、監督者等を配置しなかった場合の学校等
4)正当行為を逸脱していると考えられるプレーを行なって事故を招いた場合の競技者
5)通常考えられる危険予防措置を怠った競技施設等の設置者
このような視点に立つと、例えば、ラグビーのトーナメント戦におけるシード校、あるいは柔道の段位などの緒制度が、リスク回避の面で重要な役割を果たしていることが改めて理解できるわけです。
一方、近年の猛暑で、競技や練習中に熱中症となる運動部員が増えていると聞きます。
このあたりの状況の変化への対応は十分なのでしょうか。
スポーツの年間スケジュールや試合会場は、昔から殆ど変わっていないと思われます。
しかし、気候の温暖化に歯止めがかからない以上、例えば夏の高校野球大会を炎天下の甲子園ではなくドーム球場で開催する、あるいは球場の気温が35度を超えたら試合をサスペンドするなどの方策を、具体的に検討すべき時期が来ているのではないでしょうか。
選手や応援席の生徒さんたちに万が一のことが起きてからでは遅いです。