おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

畑の境界は低木ウツギ

2012年03月17日 10時34分05秒 | 農村
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写真1 ウツギは境界木ゆえ、直線状に植えてある 


写真2 2月、薄雪にたつウツギ、寒そう


写真3 2月、空き畑の土と同色のウツギ


写真4 茎は空ろ。この形状が和名のウツギにつながる


 なにごとにも、なにものにも、境・境界・けじめは大切。境をめぐる争いは古今東西絶えない。
 境界の具体表徴を何にするかは、文化-宗教・道徳・継承された意識・行動など-、文明-技術・機械・経済社会制度・政治体制など-により異なり、まちまち。
 身近な宅地について、その境が水路となる例を当ブログ2012年3月16日に紹介した。
 本日は畑の境を北関東、栃木県上三川町の畑作地に見る。当地では、写真1・2・3のように、灌木のウツギを境界木とする畑が多い。
 境界木ウツギについて2人の農人が次のように教えてくださる。
 下野市のSさん(2008年・70歳)の教え。
  ウツギをユズキと呼ぶ。“サシミが効く”ので畑のケイカイ(境界)に挿した。
  挿し木が容易で、伐っても芽が出て生育が良い。
 上三川町のYさんの教え。
  ウツギをユズギと呼ぶ。畑のケイカイ(境界)に植える。白い花が咲く。
  田圃にはなかった、今はコンクリートを使うこともある。
 すなわち、ウツギは冬期に葉が落ち、さほど高くならないので日照を確保でき、茎枝を伐っても春に芽吹き伸長するので目印・表徴として目立ち、挿し木が容易で境界変更に即応できる。この特長ゆえ境界木として植えられているのであろう。
 和名のウツギは、茎の中心に穴が開き、うつろ(空ろ)な形状に由来(写真4)。白い花は5月頃咲き、香りと蜜で虫を引き寄せる。

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:写真1・3;2009年02月08日、写真2;同月20日、写真4;2008年09月23日 撮影地:栃木県上三川町多功
コメント
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