おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

農業用水は七宝山麓の5つの溜池と香川用水 <農村の水33>

2012年03月30日 00時00分00秒 | 農村の水
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写真1 手前(標高が高い。)から二の池⇒大池(中池)⇒新池


写真2 荒神池。右方向に二の池、大池、新池がある。


写真3 奥池。遺跡調査で水を抜いてある。正面方向に二の池、大池、新池がある。


写真4 荒神池の近くから二の池、大池を望む。


写真5 香川用水を埋設する道路。左右に香川用水から導水するブドウ畑がみえる。


写真6 香川用水から二の池へ給水するコンクリート水路が斜めに造られている(左側にその一部が見える。写真5の手前に位置)


写真7 道路に埋め込まれた香川用水の量水器


写真8 M氏奥様の調理になる讃岐うどん。


 香川県三豊市豊中町本山甲にある一富士旅館のご主人と女将さんのご高配になる農業水利の聞取りは、同旅館において、3月10日8時から岡本地区・岡本池水利組合総代Mさん(77歳)に約70分、貴重なお話を聞くことができた。その一部は次のとおり。
 岡本地区は、溜池地帯香川の典型、七宝山麓に5つの溜池-二の池・大池・新池・奥池・荒神池-が江戸時代初期から中期に順次築造された。
 山麓の標高に従い二の池⇒大池(中池)⇒新池と流れるのが三つ池(写真1)。三つ池の左にあるのが荒神池(写真2)、右にあるのが奥池(写真3)。これら5つの池を岡本池と総称する。
 岡本池は、七宝山系の水を一滴たりとも逃すまいと造られた集水溝で導水される。不動滝から流れる水を集める奥池から二の池へ、荒神池から大池へそれぞれ導水される。さらに、香川用水からも二の池へ給水される。
  二の池    満水面積0.98ha 貯水量50,000㎥ 受益面積約24ha
  大池(中池) 満水面積1.84ha 貯水量92,000㎥ 受益面積約24ha
  新池     満水面積0.90ha 貯水量31,000㎥ 受益面積約20ha
  荒神池    満水面積0.32ha 貯水量14,500㎥ 受益面積約25ha
  香川用水 水源:吉野川の早明浦ダム。1968(昭和42)から1981年(昭和56)に
       造られた全延長106kmの水路。農業用水、水道用水、工業用水を給水。
       香川県の慢性的水不足を大いに緩和。
 岡本地区は香川用水通水まで農業用水に苦労した。
 岡本池は江戸時代初中期の造成から400年余経ち老朽化したので、三つ池と荒神池の堤体内面、取水施設、洪水吐などの補強工事が、国営総合農地防災事業により1999年(平成11)3月30日~2006年(平成18)3月30日に施行され完成した。
 10日、一富士旅館での聞き取りを終え、Mさんに岡本地区へご案内いただき、上記の溜池、溜池水源の一つ不動の滝、香川用水通水後の灌漑畑地、Mさん宅の明治期の農具などを見て写真に収めた。
 讃岐といえば、うどん。お昼には、Mさんの奥様が調理された讃岐うどんの御馳走になり、伝統のお接待の味を堪能(写真8)。
 Mさんご夫妻に、あらためて御礼申し上げます。

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年03月10日 撮影地:香川県三豊市豊中町岡本
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