おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

現代の担ぎ屋さんはトラックで走る6次産業家

2012年05月31日 07時03分17秒 | 農業

写真1 Hさん夫妻は、この2トントラックに乗り、週2日都内へ行商。


写真2 美味しい米を保存する低温倉庫。背と歩様に自信漲るHさん。


写真3 鶏の世話をする奥様。鶏舎はビールハウスの中。新鮮な卵を売る。


写真4 鶏舎のウコッケイ親子


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左の緑色部をクリックして私に元気をください。

 Hさん夫妻は、毎週2回、水曜日と土曜日に都内の住宅街などで行商する現代の担ぎ屋さん。40数年続けている。
 お母様のお客さんを受け継ぎ、自らもお客さんを増やした。いわゆる販促活動を、若い頃、母親から譲られた頃行なった。
 朝3時起床、30分ほどで身支度し自宅を出る。JR成田線小林駅近くにある担ぎ屋さん向けの朝市や仕入れ屋さんで必要な品物を揃える。仕入れ屋さんには欲しい品物を予め連絡しておく。
 すなわち、お客さんが欲しがる旬の品物は自家で作るだけでは不足するので、朝市や仕入れ屋さんで調達してトラックに積み込む。
 朝7時には所定の場所で品物を並べる。自宅に帰り着くのは夜8時から8時30分頃になる。
 上のような行商は、農業(1次産業)、加工業(2次産業)、商業(3次産業)を併せ営む走る6次産業といえる。
 さて、Hさん夫妻は私と同じ団塊世代、高度経済成長の前と後の農業や農村生活を体験し頭耳眼足に浸み込ませる世代。今、昭和1桁世代が田や畑、山から遠のき、「村」から退き、団塊世代の出番到来。

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月:2012年05月27日 撮影地:千葉県印旛郡栄町
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あれ、なんですか?  バンカークロップです

2012年05月30日 00時00分00秒 | 農業

写真1 無加温ハウスの両サイドにバンカークロップの麦が植えてある。イチゴを摘む調査仲間


写真2 無加温ハウス西側のバンカークロップの麦


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左の緑色部をクリックして私に元気をください。

1.有機農業の里で生き物調査を始める
 去る5月19日、霜里農園(しもさとのうえん)と、同園が立地する下里地区の生き物調査に職場の同僚2人と出かけた。

2.霜里農園の有機農業は地元へ普及
 皆様ご存じのように、霜里農園は我が国における有機農業の大先達・パイオニアである金子美登(かねこよしのり)氏が約40年前から経営する有機農業のメッカ。
 現在、霜里農園の有機農業は周りの下里地区へ波及し、地区にある約20haの水田で在来大豆、小麦、水稲などが有機栽培されている。
 きっかけは、12年ほど前、地区のリーダー安藤郁夫氏が金子氏に有機栽培を実施したいと提案したことにある。その後、支援の企業や食味者(農産物を単に購入・費消するのでなく、農業者の技術と汗ならびに農産物の味を理解し価格に上乗せできる生活者。)などに、大豆、小麦、水稲を有機栽培継続可能価格で全量販売している。
 その過程において、埼玉県東松山農林振興センター農業支援部(普及指導員)が支援したことを忘れてはならない。

3.金子氏に生き物調査の了解を得る
 さて本題に戻ろう。霜里農園を含む下里地区は有機農業の里ゆえ、多種多様の生き物が生息しているはず。それを視認するため、我々3人は春夏秋冬の調査を繰り返す予定。
 5月19日が調査初日。金子氏に趣旨等を伝え、霜里農園での生き物調査の了解を得る。

4.有機栽培イチゴにバンカークロップ
 金子氏から、ハウスのイチゴで喉を潤してください、とうれしいお言葉。
 さっそく頬張る。これが有機栽培のイチゴか、なーるほど、5月下旬でも粒、甘味ともに適度(写真1・2)。
 無加温ハウス内の両側を見ると麦が植えてある(写真1・2)。
 農作業中の男性に、“あの麦は、なんですか”と尋ねる。
 “バンカークロップです。寄生バチの餌場になります”と教えてくださる。
 すなわち、寄生バチがイチゴにつくアブラムシに卵を産みつけ、アブラムシの繁殖を抑える。
 麦には寄生バチの餌になるアブラムシが集まる。ただし、このアブラムシはイチゴに害を及ぼさない。
 このような天敵生物利用によって農薬を使わないイチゴ栽培が可能となる。

 引用・参考文献等:当ブログ2011年02月11日同月12日2012年02月16日
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年05月19日 撮影地:埼玉県比企郡小川町
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地上の朽木で樹液吸い? コミスジ

2012年05月29日 00時00分00秒 | 昆虫

写真1 白筋が前翅に1筋、後翅に2筋、計3筋。この数が和名の由来。


写真2 地上の朽木に止まり、少ない樹液を吸っている? 写真1と同一個体。


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左の緑色部をクリックして私に元気をください。

 コミスジは前翅長23~31mmで、ミスジチョウ(30~38mm)より小さいので“コ”を冠する。
 前翅の白筋は直線状に繋がらず途切れている(写真1)。この途切れにより、ミスジチョウ、オオミスジなどと区別される
 飛び方に特徴があり、数回羽ばたき、翅を水平に開き滑空する。
 学名:Neptis Sappho intermedia タテハチョウ科

 引用・参考文献等:*フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』日本語版(2012年4月27日04:24 最終更新);コミスジ *Website『昆虫エクスプローラ』;ミスジチョウ
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年05月05日 撮影地:栃木県下野市
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大きな葉の上で舞う白拍子 フタリシズカ <野の草花64>

2012年05月28日 01時29分11秒 | 植物

写真1 大きな4枚の葉、その上で舞う白拍子のような白色穂状花序、フタリシズカ 


写真2 フタリシズカは、対生する葉が茎の上部で上と下に接してつくので4枚の葉が輪生するように見える


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左の緑色部をクリックして私に元気をください

 フタリシズカは山地の林下に生える草丈30~50cmの多年草
 葉は、短い葉柄の先につき、大きく(長さ8~16cm)、鋸歯がある
 茎の先に、ふつう2本の穂状花序をつける

 源義経の側室静御前の霊と、その霊に憑かれた菜摘女が悲しく舞う謡曲が「二人静」
 二人の舞姿に2本の穂状花序を見立てたのが和名、フタリシズカ
 学名:Chloranthus serratus センリョウ科

 引用・参考文献等:*『山渓カラー名鑑 日本の野草』(株式会社 山と渓谷社 1983年)557頁
             *大工園認著『野の花めぐり 春編』(株式会社 南方新社 2003年)141頁
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年05月19日 撮影地:埼玉県比企郡小川町・「カタクリとニリンソウの里」
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

林下に白蝋細工 ギンリョウソウ <野の草花63>

2012年05月27日 00時00分00秒 | 植物

写真1 葉緑素のない白蝋色のギンリョウソウ、すばらしい。


写真2 若い茎に鱗のような鱗片葉は少なく、白色の少ない無色透明の鱗片葉も見られる。


写真3 筒状の花。黄色い雄しべの葯が円柱状の花柱(雌しべ)を取り囲む。花柱の先端は窪む。


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左の緑色部をクリックして私に元気をください。

 ギンリョウソウは林下などの少々湿気のある腐植土に生える腐生植物。草丈は8~20cm。葉緑素をもたず、根の他は白色・白蝋色・銀色。茎には鱗のような鱗片葉が重なってつく。
 和名のギンリョウソウ(銀竜草)は草姿全体を銀の竜に見立てた。
 学名:Monotropa hypopithys 

 引用・参考文献等:*『山渓カラー名鑑 日本の野草』(株式会社 山と渓谷社 1983年)297頁 *大工園認著『野の花めぐり 夏編』(株式会社 南方新社 2003年)114-115頁
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年05月19日 撮影地:埼玉県比企郡小川町・「カタクリとオオムラサキの林」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする