今日の考え事〈applemint1104〉

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ETV特集アンコール「宮沢賢治銀河への旅~慟哭の愛と祈り」の感想

2019-05-06 09:40:35 | テレビ

一昨日の深夜放送された教育テレビですが、たまたまチャンネルを回して気づきました。

私は宮澤賢治の詩のファンで、と言っても若い時自分流に好きだっただけで、専門的に分析したりしたことはありません。
 これまで賢治に関する多くの本や記事を読んできましたが、昨日の検証と言っていいのか新しい考証は初めてでした。
興味深く見させて貰いました。

賢治はとても行動的な人で、37歳の生涯には収まりきれない沢山の活動や仕事をしてきた人です。
溢れ出るような創作意欲と農業への情熱‥ でも昨日出て来た友人の保阪嘉内という人については初耳です。

嘉内は賢治と高校時代の寮で同室だったらしいです。
文学を目指す同志でしたが、生き方はそれぞれ別でした。
賢治の入信している会へ熱心に勧め嘉内も入ったものの、考え方には違いがありました。
賢治はずっと嘉内に沢山の手紙を送りました。
そして東京の図書館で二人が実際に会った時に決定的なことが起こり、それ以来距離が出来てしまいました。
嘉内は会をやめます。それがきっかけで以後疎遠になってしまいます。
しかし賢治の心の中にずっと嘉内は生き続け、銀河鉄道の夜のカンパネルラのモデルとなりました。

銀河鉄道の夜は、私が感じるのは絵本と思えないほどの寂しい内容で、全体がなにかの思想の象徴のようです。
救いとか犠牲とか、これは賢治の宗教観なんでしょうか‥
きれいで悲しい話です。私が感じたのはそこまでです。

さて、番組の中の検証ですが、賢治はある時急に青森へ旅立ちます。
そして夜行電車を降りて徒歩で30キロ歩いて、ある土地へ向かいます。
何をしていたのか?
なんとその年のその夜ケンタウロスと北斗七星がその場所から見えていたというのをデータで証明していました。
コンピューターの力の凄さよ‥ ケンタウロスをその土地に見に行ったのではないかと言うのです。

宮澤賢治の研究者は数多くいます。
その誰がこのような考証をしたでしょうか? NHKの独断でしょうか?切れすぎじゃないですか?
夜道を30キロも歩き通すというのも、何か賢治らしい。それをやりぬく理由があったのでしょう。
とすれば、限りなく正解に近い気がします‥

「春と修羅」の詩も紹介していました。
大人になった私は改めて、これらの詩が賢治の色々な人生の葛藤の詩だったのと気づきました。
ナレーションが少し力が入りすぎていたけど、良かったです。
なおこれは再放送だったようです。教育テレビという土俵はなかなか新鮮で可能性を感じました。



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