2023年5月3日公開 アメリカ 149分 G
アベンジャーズの一員としてサノスを倒し、世界を救ったものの、最愛の恋人ガモーラ( ゾーイ・サルダナ)を失ったショックから立ち直れないスター・ロードことピーター・クイル(クリス・プラット)と、ガーディアンズの仲間たち。そんな彼らの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする恐るべき敵が現れ、ロケット(ブラッドリー・クーパー )が命を失う危機にさらされる。固い絆で結ばれた大切な仲間の命を救おうとするガーディアンズだったが、ロケットの命を救う鍵は、ロケット自身の知られざる過去にあった。(映画.comより)
クセが強くてワケありな銀河の落ちこぼれたちが結成したチーム「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の活躍を描いたシリーズ第3弾で、監督・脚本はシリーズを一貫して手がけてきたジェームズ・ガンです。
惑星ノーウェアで暮らすガーディアンズの前に、ソヴリン人のアイーシャ(エリザベス・デビッキ)が生み出した超人アダム・ウォーロック(ウィル・ポールター)が超高速で現れロケットに襲いかかります。グルート(ヴィン・ディーゼル)やネビュラ(カレン・ギラン)、マンティス(ポム・クレメンティエフ)、ドラックス(デイブ・バウティスタ)らが応戦、ガモーラを失って酒浸りのクイルも我に返って参戦しますが、ロケットが瀕死の重傷を負います。この時点ではクラグリンはまだ自分に自信がなくヨンドゥから受け継いだ口笛で操る“矢”も使いこなせていません。彼の相棒でノーウェアの警備主任のコスモ(宇宙犬)とのやりとりがユーモラス。
ロケットの体内には“キルスイッチ”(体内の情報を調べようとすると破壊される仕組み)が施されていて治療パックを使うことができず、ロケットを救うためには、キルスイッチ解除のパスキーが必要です。
パスキーのあるオルゴ・コープ社に潜入するため、ガーディアンズはクラグリン(ショーン・ガン)とコスモをノーウェアに残して、ボウイ号で惑星オルゴスコープへ向かいます。
スタカー・オゴルド(シルヴェスター・スタローン)率いる宇宙海賊ラヴェジャーズと合流したクイルは、メンバーに過去の世界からやってきたガモーラがいるのに驚きます。彼女が気になって仕方ないクイルですが、彼が恋したガモーラではないので彼に対してとても冷淡です。😓
ボウイ号にグルートを待機させ、オルゴ・コープ社内へ入り込んだ一行は(ちなみにオルゴスコープは生物惑星です)、データバンクからロケットの情報を引き出すことに成功しますが、侵入がばれて警備員(ネイサン・フィリオン)らと 交戦状態になります。クイルの口説きが功を奏し、ピンチを脱します。
ロケットは、ハイ・エボリューショナリー(チュクーディ・イウジ) という、完璧な種族を生み出してユートピアを作ることに憑りつかれたマッドサイエンティストの被検体でした。
かつてロケットは「89P13」と呼ばれていました。同じ動物実験仲間の機械の手を持つカワウソのライラ(リンダ・カーデリーニ)、車椅子と体を接合されたセイウチのティーフ、クモ型の機械足と口枷を持つウサギのフロアとケージの中で暮らし次第に仲良くなっていく中で、彼らは自分たちで名前を命名します。
ロケットは、ハイ・エボリューショナリーの作る完璧な世界を信じて彼に協力します。しかし実験過程で狂暴な披検体が生まれることに頭を悩ましていたハイ・エボリューショナリーに解決策を提案したロケットが、自分以上に賢いと気付いたハイ・エボリューショナリーは、彼に嫉妬し、その脳を取り出して調べようとします。自分たちが殺されると察したロケットは隠し持っていた部品でケージの鍵を解除して仲間と逃げようとしますが、それを見越していたハイ・エボリューショナリーにより仲間を殺されてしまいます。ロケットは激怒して彼に襲い掛かり顔を引き裂いて独り脱出したのでした。
ウォーロックがロケットの回収に失敗したとアイーシャから報告を受けたハイ・エボリューショナリーは、二人に再度ロケット捕獲を命じます。(彼がソブリン人を生み出し、ソヴリン人のアイーシャがアダム・ウォーロックを生み出したらしい)
捕まえたラヴェジャーズの一人を拷問しようとして勢い余って殺してしまうウォーロックってまさに単純腕力バカ😀 でも彼が殺したラヴェジャーズのブラープという名前のペットが何故かウォーロックに懐いちゃうところをみると悪い奴でもなさそうな。遺体から見つかった通信器でガモーラから情報を引き出しガーディアンズを追います。
ロケットがハイ・エボリューショナリーに受けた仕打ちの残酷さを知り、ネビュラは自分がサノスから受けた仕打ち以上だと話します。
パスキーの情報がハイ・エボリューショナリーの側近に持ち出されていると気付いた一行は、カウンター・アースへ乗り込もうとします。この時、ガモーラがラヴェンジャーズと連絡を取ろうとしてアイーシャに位置を知られてしまうのね。(^^;
カウンター・アースは地球にそっくりで驚くクイル。住人はハイ・エボリューショナリーが作った半人半獣の種族です。ドラックスの行動が誤解され侵略者と思われ攻撃されますが、クイルが怪我した女性を気遣ったことで誤解が解け、ピラミッド型の施設にパスキー所持者がいることがわかります。
クイルとグルートが中に入ってハイ・エボリューショナリーと接触する中、ドラックスとマンティスも中に入ることを拒否されたネビュラとピラミッド前で合流します。
地球の音楽や文化の素晴らしさに触発されてカウンター・アースを作ったと語るハイ・エボリューショナリーは、完璧な世界を作ることが目的だと話しますが、そうでないと指摘されるとあっさりカウンター・アースを見捨てて星を爆撃し施設(宇宙船だった)を飛び立たせようとします。
その頃、ボウイ号にウォーロックとハイ・エボリューショナリーが派遣したウォー・ピッグ(ジュディ・グリア )が現れロケットを狙いますが、ガモーラが2人を退けます。
アイーシャが爆破に巻き込まれる瞬間を目の当たりにしたウォーロックは呆然自失。(彼にとっては母なんだものね)
グルートが体の中に隠していた爆弾と武器を取り出してクイルと反撃し、側近の頭に埋め込まれたパスキーを回収してガモーラが操縦するボウイ号に乗り込みます。木の翼で滑空するグルートがメチャカッコイイです。💛
ところが、二人がまだピラミッドの中にいると思ったネビュラたちは逆に中に入っちゃうんですね~。
ボウイ号では、クイルがパスキーを入力して救命措置を始めますが、心肺停止状態になってしまいます。それでも諦めず、必死に心臓マッサージをして呼びかけるクイル。死の淵を彷徨っていたロケットが、死んでしまったライラたちと出会い、そちらへ一緒に行きたいと尋ねると、ライラから「まだその時じゃない」と止められ「創る手もあれば導く手もある」「これはあなたの物語」と伝えられるシーンが切なく、蘇生したロケットを抱きしめるクイルとグルートの姿も胸に迫ります。
クイルたちを助けようとピラミッド船に乗り込んだ3人が見たのは捕らえられた大勢の子どもたち。互いに行き違いになったことを知ったクイルはクラグリンに協力を要請し、回復したロケット共々ピラミッドへ向かいます。
子どもたちの言葉を理解し話せたのはマンティスではなくドラックスでした。差し向けられたアビリスクたちを、マンティスが手懐けます。
惑星ノーウェアごと駆けつけたクラグリンとコスモによりピラミッドとドッキングさせて子どもたちを避難させることに成功します。グルートに助けられたウォーロックが理由を聞くと、グルートは「誰にでもセカンドチャンスがある 」と答えます。
あくまでロケットに執着するハイ・エボリューショナリーは、反乱を起こした部下たちを皆殺しにします。こうなるとただの狂人だなぁ。ノーウェアに入ってきた敵を、ヨンドゥの幻影に自分を信じるよう励まされたクラグリンがヤカの矢を使いこなして撃退するのも彼の成長を感じさせる一コマです。
ロケットは監禁されている動物たちもノーウェアへ避難させ、ハイ・エボリューショナリーとの最後の対決に臨みます。「俺はロケット・ラクーンだ」と宣言し、ガーディアンズたちと共に彼を倒すのです。ハイ・エボリューショナリーの仮面のような皮膚の下は過去にロケットが引き裂いた無残な姿でした。このこともロケットに固執していた理由だったのかもね。ロケットは彼にトドメを刺さずに去りますが、それは命を軽視するハイ・エボリューショナリーとは対称的な行為であるとともに、彼への最大の罰でもあったのかも。
爆発するピラミッド船から脱出する際に、クイルは落としてしまった音楽プレーヤーのZune(ズーン)を拾って遅れてしまいます。宇宙空間で瞬時に顔が膨張し凍っていくクイルを助けたのがウォーロックです。まさにセカンドチャンスを生かした形ですね。😊
一件落着後、メンバーはロケットとグルートを残してそれぞれの道に進みます。
ネビュラとドラックスは理想の街を作るためノーウェアに残ります。
マンティスはアビリスクを連れてノーウェアを離れ一人旅に出ます。
クイルは地球に戻り、祖父のジェイソン・クイルと再会します。(このエピソードはポストクレジットに登場しますが、その最後に「伝説のスター・ロードは帰ってくる」という文字が映し出されて幕を閉じるので、続編は大いにありそうです。)
ガモーラはラヴェジャーズに戻り仲間たちの歓迎を受けます。(クイルは今いるガモーラはかつて自分が愛したガモーラではないことをやっと受け入れられたようです。)
クイルから助けを必要としている他の誰かのためにガーディアンズを率いることを求められたロケットは、クラグリン、コスモ、ウォーロック、ファイラ=ヴェルと新たなガーディアンズを結成するのね。生死を彷徨い過去の自分と対峙したロケットは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのロケット・ラクーン」だとありのままの自分を受け入れるのです。(ラクーンとはあらいぐまの意)この対極にいたのがハイ・エボリューショナリーというわけですね。
今回、ロケットがクイルからズーンを譲られます。ヨンドゥかクイル、そしてロケットへと受け継がれていくズーンから流れる音楽もこの作品の大切なコンセプトですね。
皮肉とウィットに富んだセリフの数々に思わず吹き出すことも度々で、ドラックスやグルートの天然ボケ も健在ですが、一方でおバカ呼ばわりされてきたドラックスに隠されていた人間的な深みや優しさにも気付かされることになりました。単純バカに見えたウォーロックだっていいとこあるもんなぁ~。