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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

居酒屋「一服亭」の四季

2025年03月20日 | 
東川 篤哉 (著)  講談社

「二代目、安楽ヨリ子でございます」
隠れ家のような鎌倉の居酒屋「一服亭」。
異常なまでに人見知りの女将は、実はとんでもない名探偵だった。
頭や手脚を切断された画家、老舗レストランの首なし死体、海の巨岩上に残された右脚だけがない遺体…猟奇的事件の数々を驚愕の推理で料理する、本格ユーモアミステリー!(内容紹介より)


毒舌名探偵の二代目安楽ヨリ子が手料理をふるまい、難事件の謎を解くユーモアミステリーです。
表紙が気になって手に取った一冊ですが、本屋大賞受賞『謎解きはディナーのあとで』の著者だとは知らなかった😓 
そうとわかれば、軽妙な語り口も納得ですが、好みではありませんでした。
「純喫茶「一服堂」の四季」の続編のようですが、もういいかな😞 

第一話 綺麗な脚の女   
第二話 首を切られた男たち
第三話 鯨岩の片脚死体
第四話 座っていたのは誰?

第一話と第二話は夏、第三話は秋で第四話は冬 ・・・あれ?春がないじゃん。

第一話の語り手である君鳥翔太は、まさに今時の軽薄な若者を体現しています。この時点で既に共感度ゼロ。就職に困った彼が母の伝手を頼って出かけた先で殺人事件に遭遇します。密室の謎と犯人を解き明かしてもらうのが二代目安楽椅子探偵のヨリ子さんですが、彼女の居酒屋は表札サイズの看板?で探すのにも一苦労。極度の人見知りで初対面の人とはまともな会話もできず、気絶するというキャラはこの後もお約束になっています。彼女が飲んでいるのが「水」ではなく「日本酒」であり、出される料理で間違った推理をする客を罵倒して喜ぶ癖まである困ったちゃんです。

講談社ならぬ放談社という三流出版社に職を得た君鳥。元はといえば彼の発音が招いた誤解が発端ですが(本人はコと発音しているつもりがホに聞こえる)、その彼が今度は首のない死体事件関係者の高梨を連れてヨリ子さんの居酒屋を訪ねるのが第二話。彼が差し出す名刺を見て大手出版社と誤解した高梨が三流ゴシップ記者と気付いて名刺を「めんこのように」投げ捨てるというのも以後のお約束です。ついでにその名刺を再び回収する君鳥もね。😁 

第三話ではキャンプをしていて事件に遭遇した三田園晃が君鳥の取材を受け、片脚が切断されていた事件の謎と犯人をヨリ子さんに解いてもらう流れです。こちらは殺人ではなく片脚の謎の方に主眼が置かれていました。

事件関係者が一堂に会する第四話では冬の山荘という環境が謎解きのヒントになっていました。ここで登場する東原篤実は売れない推理作家。筆者をもじったキャラ?
男性と思って読んでいると実はあつみという女性であることが明かされます。ついでに第三話で登場した三田村も女性でした。それなら部下の女性たちとキャンピングカーに泊まれば良かったじゃんと突っ込みたくなるけれど、上司と一緒では気詰まりだろうという気遣いと捉えるべきなのかな。

それぞれのトリックはちょっと難ありな気もしなくもないけれど、軽過ぎる語り口と猟奇殺人事件のアンバランスさを楽しめるなら面白い作品といえるかも。😔 




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