杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択

2023年05月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2016年製作/106分/アメリカ

アメリカ北西部モンタナの田舎町を舞台に、厄介なクライアント(ジャレッド・ハリス)に振り回される弁護士ローラ(ローラ・ダーン)、新居の建設のことで頭がいっぱいのジーナ(ミシェル・ウィリアムズ)、夜間学校で法律を教える弁護士エリザベス(クリステン・スチュワート)、牧場で馬と暮らすジェイミー(リリー・グラッドストーン)ら4人の女性たちが、それぞれ悩みを抱えながら懸命に生きる姿を描く。(映画.comより)

マイリー・メロイの短編小説の映画化。
群像ドラマには違いないけれど、正直「で??」っていう・・・。

弁護士のローラは、フラーというクライアントに振り回されています。彼は仕事中の怪我で会社から補償金を受け取った後に再度会社の責任を追及しろと主張していますが、それは受け入れられない旨何度説明しても納得しません。仕方なく別の弁護士を紹介してその見解を一緒に聞きにいきますが、その回答はローラと同じでした。ところがフラーはあっさり引き下がります。その弁護士が男だったから?とローラはもやもや。
その夜、フラーは警備員を人質に取り、以前勤めていた会社に籠城します。その場に呼ばれたローラは、フラーの要求する会社の保管資料を読み上げさせられます。そこには会社側の保証金をできる限り支払わないようにする対策が記されていて、それを聞いたフラーは人質を解放します。ローラは彼との約束を破って警察に通報し、フラーは逮捕されます。クライアントに振り回されながらも見捨てず対応する姿勢にローラの人柄が現れていますね。

ジーナとライアン(ジェームズ・レグロス)夫婦は、娘ガスリー(サラ・ロディエ)を連れて郊外に建てる予定のセカンドハウスの敷地でグランピングした帰りに、アルバート(ルネ・オーベルジョノワ)の家に立ち寄ります。そこで新居にぴったりな砂岩を見つけたジーナは売ってくれるようアルバートに頼みますが、彼はジーナを無視してライアンの話に耳を傾けます。
無神経な夫と思春期の反抗的な娘にうんざりし苛々が募っているジーナにとってセカンドハウスを本物の砂岩で装飾するのが夢なのですが、その交渉も夫頼りにならざるを得ないのが何とも悔しく歯痒いのです。

エリザベスは、弁護士の傍ら夜間学校で法律を教えています。牧場で働く孤独な先住民のジェイミーは、ある夜、人恋しさから夜間学校の授業に紛れ込んでエリザベスと親しくなります。でもエリザベスは片道4時間の通勤が重荷になり突然夜間学校の教師を辞めてしまいます。それを知ったジェイミーは、夜通しハンドルを握りエリザベスが暮らす街に向かい会いに行きます。エリザベスはジェイミーに対し差別することなく接していましたが、学校を辞めることを彼女に話すまでの気持ちはなかったのね。ジェイミーが確固たる目的(別れ)のために車を走らせているのとは対照的ですね。

モンタナという田舎の小さな町で暮らす4人の女性の平凡な生活を切り取ったような物語ですが、男女や人種の差別がさりげなく盛り込まれ、彼女たちの閉塞感の土壌になっていました。


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