杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

しゃべれどもしゃべれども

2008年11月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年5月26日公開 109分

東京・下町。うだつの上がらない二つ目の落語家、今昔亭三つ葉(国分太一)は、ひょんなことから落語教室を開くことになる。生徒は、美人だが無愛想で口の悪い五月(香里奈)、口は達者だが関西弁のためクラスになじめない少年・村林(森永悠希)、元野球選手で強面だが上がり症の湯河原(松重豊)の3人だ。最初は言い争ってばかりだった彼らだが、少しずつ上達していく。ある時、村林はいじめっ子と野球対決をして負けてしまう。悔しがる村林に、いじめっ子を落語で笑わせてやれ、と三つ葉は提案する。

三つ葉は古典落語にしか興味がなく、普段から着物で通す噺家。落語への愛情は人一倍あるのに腕のほうがついていかず行き詰まりを感じている。そんな彼が、自分を変えたいと思う三人と関わることで、自らも何かを掴んでいく物語だ。

無愛想な香里奈というのも面白く、口の悪い松重や口達者な子役との組み合わせもなかなか良い。国分の着流し姿もだんだんしっくり感じられてくる。

三つ葉の祖母・春子に八千草薫、師匠の今昔亭小三文に伊東四朗を配し、二人の粋な雰囲気も楽しい。

浅草の下町の風情や都電沿いの風景など、今時(都会風)じゃない雰囲気が懐かしいような温かさを伝えてくれる。誰にでもある、伝えたいことを上手く言えないもどかしさと伝わった時の嬉しさを優しい目線で描いている。見終わって心がふんわりする作品。

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