杏子の映画生活

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陰陽師0

2024年04月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2024年4月19日公開 113分 G

呪いや祟りから都を守る陰陽師の学び舎であり行政機関でもある「陰陽寮」が政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明(山崎賢人)は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない人嫌いの変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅(染谷将太)から、皇族の徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。衝突しながらもともに真相を追う晴明と博雅は、ある若者が変死したことをきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀に巻き込まれていく。(映画.comより)


平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた小説「陰陽師」シリーズを原作に、晴明が陰陽師になる前の物語を、原作者・夢枕獏の全面協力のもと完全オリジナルストーリーで映画化。「アンフェア」シリーズの佐藤嗣麻子が監督・脚本を手がけ、作家・加門七海が呪術監修を担当。(映画.comより)

安倍晴明は2001年と2003年の映画で野村萬斎、2001年のTVドラマ(NHK版陰陽師)で稲垣吾郎、2020年のドラマでは佐々木蔵之介が演じています。もっとあるけど見ているのはこのくらいかな😀  源博雅はそれぞれ伊藤英明、杉本哲太 、市原隼人 でした。
個人的なイメージとしては野村萬斎が一番しっくりきます。なので今回の映画で演じる山崎賢人はどうかな?と不安を感じながらの鑑賞でしたが、まだ帝の陰陽師となる前の若き日の清明ということなので「あり」だな😁 染谷将太演じる博雅もどこかとぼけた味わいがあって伊藤版や杉本版とは違った魅力がありました。

今作では晴明と博雅の友情の始まりと、晴明が学生から陰陽師になるまでが描かれています。

陰陽師育成学校があるとは😲 
清明は幼い頃に両親を何者かに殺され、賀茂忠行に引き取られて弟子として陰陽寮に入っていますが、陰陽師に興味がなく授業もさぼってばかりで周囲からは狐の子、呪術が使えると噂される変人です。彼は両親を殺した者を探し続けていました。

そんな清明に頼み事を持ち掛けたのが醍醐天皇の孫の源博雅。従姉妹の徽子女王を慕っているけれど身分違いとその想いを口に出せずにいるのね。😓 
彼は寺で清明がガマガエルを破裂させる様を目撃して清明の呪術の力を信じて訪ねてきます。初対面の博雅、しかも貴族である彼に、清明は頼み事の内容も聞かず開口一番「断る」と言います。カエルは実際には破裂しておらず、幻覚作用のある香と催眠術に水しぶきを血しぶきに見せたトリックだったと明かした上で、陰陽師の本質は催眠術や暗示だと言い放つのです。しかし博雅から徽子女王に起きている怪異を聞いた清明は、興味を惹かれて引き受けることにします。

琴の弦が切れ、金の龍が見えたという徽子女王に、床下に潜んでいた「それ」を瓶に封じてみせた清明は、博雅と徽子女王、さらに帝からの信頼をも得ることになります。
 
特業生の橘泰家(村上虹郎)が呪殺されるという事件が起こり、陰陽頭の藤原義輔(小林薫)が犯人を見つけた者を次の特業生にすると告げたことから学生たちは血眼になります。
出世に興味のない晴明でしたが、課題と言われて謎解きをすることに。😓 
博雅(の身分)を利用して泰家の家に行った清明は、残されていた足跡と死体の検分から彼が毒を盛られ水を欲して井戸に行ったところを突き落とされたと見破ります。これは呪詛ではなく殺人だと推理するのね。😨 

しかし、百姓出身の45歳で後がない平群貞文(安藤政信)から、呪詛の筆跡が清明のものだと告発され捕らえられてしまいます。ふと奇妙な違和感を覚えた清明は、次の瞬間、「徽子女王が金の龍に攫われた」と博雅が駆け込んできたことで、彼と共に寮から逃げ出して徽子女王を探しに行きます。

徽子女王は、10歳で伊勢斎宮にされ母親の死に目にも会えなかったのですが、歳の離れた従兄弟の源博雅を想うことで寂しさを堪えていました。ところが帝からの恋文を博雅からと思って読んだことで、帝の申し出を断れなくなった彼女は、自分の人生には自由が無いと絶望して金の龍と共に消えてしまったのです。

晴明を捕らえようと追いかけた平群貞文ら3人は手柄を巡って殺し合いを始めます。その体は燃え上がり巨大な嫉妬の火龍となります。
一方晴明も両親の仇と出会い憎しみの炎に包まれますが、博雅の声と彼の吹く龍笛で正気を取り戻します。この世界が現実ではなく深層心理だと考えた清明は、博雅と徽子女王も繋がっていると推理します。
龍笛を吹いて徽子女王の深層心理に入った博雅は、彼女と対話し互いの心情を吐露し合います。たとえ結ばれなくても心では繋がっていると話す博雅に口づける徽子女王。初めは寒々しい景色が春の華やぎに満ちていく様が何とも幻想的で素敵😍 抱きしめる博雅の腕の中で徽子女王は花弁となって消えます。

晴明のもとに戻った博雅でしたが、二人の前に嫉妬の火竜が現れ襲い掛かります。この世界が深層心理なら催眠術や暗示で対抗できるのではと問う博雅に、晴明は咄嗟に空を切って陰陽寮へ逃げ込み結界を張ります。
火龍に焼かれた手を見た博雅は絶望しパニックに陥りますが、清明の「俺を信じろ」という言葉を受け入れます。

火を制するのは水と考えた晴明は、地下の巨大湖から水龍を呼び起こして火龍にぶつけます。火龍を打ち消した水龍は現実世界で呪をかけていた天文博士の惟宗是邦(北村一輝)をも滅ぼしました。呪にかかって殺し合いをしていた学生たちは現実にも死亡していました。心の死は肉体の死にもなっていたのです。

清明はこの事件の黒幕の藤原義輔と対峙します。義輔は帝の陰陽師になるために自分を脅かしそうな優秀な学生を潰し、帝が興味を示した清明に罪を着せようとしたのです。 (そういえば、陰陽寮の講義の中に、毒虫を共食いさせて生まれる猛毒の話が出てきたっけ。)
晴明の両親を殺したのも彼でした。清明の父の安部保名が優秀な陰陽師だったからです。清明を殺そうとした義輔は、逆に晴明の呪にかけられてしまいます。清明は菅原道真(この時代最大の怨霊)の霊を呼び出して雷で止めを刺しました。
晴明は本当に呪が使え、精神世界のものを物質化することができたのです。

天文博士と陰陽頭を喪う事態を受け、空席となっていた帝直属の陰陽師を立てることとなり、候補に挙がった賀茂忠行は晴明を推します。

酒を酌み交わしながら晴明は博雅に龍の正体を説明します。火龍は嫉妬の化身ですが、金龍は徽子女王の想いが生み出したものでした。

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