何度目か忘れたが、「大脱走」を再見する。
60年の「荒野の七人」に続いてジョン・スタージェスが監督した本作は、
見事なくらい
おんなっけゼロ!
捕虜収容所の話なんで当たり前だが、開始からず~~っとオンナの姿はひとりもなし。
脱走兵が街中に散った段階で初めて女性の姿も映るが、まともにセリフのある人なし。
この潔さがかっこいい!
スタージェスのお気に入りだったのか「荒野~」に続いて
マックィーン、コバーン、ブロンソンが出演していますね。
それにしても、この映画、全体に「ゆったり」テンポなんだよね。
今の映画はこんな風にゆったり作らないよね。
すごく象徴的なシーンがあってね。
ジェームズ・ガーナーが小型機を盗ん逃げようとするシーン。
見張りの兵士を倒そうとするんだけど、広い構図の固定カメラでボカンって蹴り一発、相手をのしちゃうの。
今ならもっと寄ってハンドカメラでブレブレに撮って、細かくカット割して速度を出して・・って感じにするでしょ?
戦いそのものも、蹴り一発なんかで勝負は決まらず、結構激しく戦うと思うんだけど・・
脱走用の穴が1個見つかったときも、
もし一ヶ所で見つかったら、他のところも徹底的に探されると思うんだけど、
結構あっさり見逃されちゃう。
でも、この「ザッパ感」がいいんだよね。
それにしても、マックィーンってかっこいいな~
いつもまぶしそうにしている顔、おっさんなんだけど、どっかキカン坊みたいな顔。
ジジイになった彼が見れず、返す返すも残念。
トンネル堀のくせに実は閉所恐怖症のブロンソン、ランニング姿になったときの素晴らしいガタイも要チェキ。
最後、「この映画を50名の兵士に捧げる」と出ています。
脱走の目的は、各自が自由を得ることだけでなく、大量の脱走兵の捜索にドイツ兵の労力をつぎ込ませることにあったらしい。
ウィキによれば
「この脱走により、捕虜の捜索にドイツ軍は7万もの兵力を投入するなど多大な労力を要して混乱し、結果的に連合国軍にとって戦局を有利に導いた。」
らしい。
こういうこと、前回見たときにはあまりわかっていなかったな~
allcinemaの作品情報でもガーナーが2番目なのが、ちょっと不思議。役の重さからいってもアッテンボローでしょって思うんだけどな。
本作は以前リメイクの噂が出ましたが、あきらめてくれたみたいでよかった。
今のタッチで作られたら、こういうノビノビ感は出ないもんね。
ジェームズ・ガーナーの扱いが大きいのが意外ですね。いまならブロンソンやコバーンのほうが大物ですから。でもガーナーさん、まだご存命なんですよね。
>それにしても、この映画、全体に「ゆったり」テンポなんだよね。
言われてみればそうですね。いまなら「ジェットコースター」みたいにもっとすごい試練が続出でしょう。